邦題おかしくない?と言わざるを得ない。インド映画の醍醐味が思う存分に濃縮されていて面白かった。
ちらちらと話の前後が不明なホラーシーンが割り込んでくるアクション要素多めのラブ・ロマンス、と思ったら、
これ、サスペンスやったんかーい!!って突っ込みたくなるような展開になって(というか、ホラーシーンの意味がわかった途端、「マジか!」ってなった。)
いや、3時間あるんですよこの映画、でも全然飽きなかった。なんか複数の映画を見ているような面白さがある。
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以下、この映画の確信に迫るネタバレが含まれるので注意。
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これ、作品の構成としては、ダニエル・デフォーの「ペストの記憶」が似ているのかもしれない。
ペストが流行した時代のリアリティを、1つの作品の中で、いろんな側面からいろんな文体・ジャンルで書き綴った作品。
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マッスル踊る稲妻では、1人の男を主軸に、いろんなジャンルで表現し(ここまでは「ペストの記憶」と類似の構造)、さらに、前半では、一部のみ時間軸をずらすことで、あたかも複数のストーリーが同時に走っているように見せたのが上手いなと。
なんかそんなことを思った。
実のところ、時系列を整理すると王道的な復讐譚そのもの。最期には主人公が報われるので、見たあとはスッキリする(復讐譚で主人公がハッピーエンドで終わる、って事自体にうーん?と首をかしげたくなるところはある)。