評価が低めだったのだけど、伊坂幸太郎の作品を映像化したものなら1度は見てみねばと思い視聴。
渋谷の大通りで撮影かと思いきや
冒頭、渋谷のハロウィーンの中で事件が起きるのだけど、
人通りの多い渋谷の交差点でどうやって撮ったんだろう、というか、この半端ない数の人は全員エキストラなのか、と気になってググってみたら解説記事があった。
今の映像技術ってすごいんだなぁと改めて認識した。
舞台的な何か
(蝉)の戦闘シーンが、急に舞台じみた演出になるの、微妙に興ざめ感があった。
なんとも言葉にし難いんだけど、物語そっちのけで『役者さんカッコいいでしょ!』という圧を感じる感じ。
以降、こういうテイストかと思いきや、舞台っぽい見せかたをしたのは最初だけだった。
伊坂ワールドは映像化に不向きなのだろうか
グラスホッパー(バッタ)の話や、しじみの話など、小説において文字で見る分には伊坂ワールドと言う感じが醸されていて、違和感を感じないのだけど、
映像になったり、登場人物がリアルに口にしたりしていると、シュール過ぎて笑いそうに…。
役者さんの演技はどれも本当に良かったので、なおさら気になった。
・・・
ぐぐってみると、伊坂幸太郎作品を映像化したものでも、『アヒルと鴨のコインロッカー』は好評な模様。こっちも見てみるか。
ラストに向かうに連れ白けるオレ
『恐ろしい目に合わせてやる』って言ってるヤクザが肉体的に拷問するでもなく、変に優しいのが気になった。
なんだかなぁ。ギャグかな。
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(鯨)がターミネーターになっていたのも気になった。俺、何見てたんだっけ。
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そして、(鯨)と(蝉) が最後には肉弾戦。正解するカドかよ…。
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『グラスホッパーは増え過ぎたら全て燃やすしかない』との言葉があったのだけど、たしかにその通り全て燃え尽きた。
うーん。
何のひねりもないんかい…。
伏線の回収の仕方が気になった…
ラスト、伏線は全て回収されるんだけど…
登場人物の一人に回想シーンという形で、全て説明させてしまうあたり、回収の仕方が強引かなぁと感じた。(何でも知ってる、って何だよそれ…)。
種明かしを明示しなくても、もっと見る人が自然に気づくように仕込めなかったのかなぁと。
とりあえず、鈴木は、最後まで鈴木(よくある日本人、おそらくは善良な一般人のモチーフ)だったので、なんだか気持ち的に落ち着いた。
全体を通しての感想
1つ1つの場面場面はよく出来ていたのだけど、全体としてまとまっていないというか、とっちらかった印象。
伊坂幸太郎の作品(小説)自体は、相当に出来が良いのになぁという想いは拭えない。原作の分量が多いだけに、どう映画の尺に収めるか苦慮した、ということだろうか。