期待せずに見たおかげか、楽しめた。良作と佳作の間くらいという印象。
話の大枠としては『遠い未来、システムによって人が監視されるようになった社会の中で、人間らしさ・自由を勝ち取る話』なのだけど、作品全体(シナリオ、演出、映像、人物・背景設定)を通して、あまり見慣れない雰囲気があって、魅入ってしまった。
結末がちょっと拍子抜けなところがあるのだけど、その分、作り手が伝えたかったことが明確になっているということで良いかなと。
事前に予測(計算)して物事に対処することは大事ではあるけど、世の中には机上の計算ではわからないこともあるし、計算以外(人の思いを信じることや、直感でやってみること)も人生においては大事なことなんだよ、って教訓が込められているのかなぁと。
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SF作品を多数見て、見飽きているくらいの人には、新鮮に映る気がする。Amazonのレビューにもあったのだけど星新一のショートショート(短編小説)を読むくらいの期待値で見るのがオススメ。
監視社会を描いたこの作品が、社会主義国家であった旧ソ連(現ロシア)作品であるということ自体も、改めて考えてみるとエモい。