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グッド・ウィル・ハンティング

タイトルと作品の評価はよく知っていたのだけど、いつか見ようと思ったきり長らく忘れていた作品。ふとしたきっかけで、改めて見る機会を得た、というか見る気になったので視聴。

『めっちゃ最高やんッ!!!』ってテンション上がるタイプではないけど、しっとりと、「あぁ、良い作品だな 」って思える良作だった。個人的には、ヴァイオレット・エヴァーガーデン(個人的イチオシ)と同じくらいに、洋画ならグッド・ウィル・ハンティングを推したい。

めちゃくちゃ雑なくくり方をすると『周囲の支えを受けて、自分自身と向き合い、自分自身を知ることで、自立する物語』という点で類似する作品。アニメと洋画というジャンルが別物だし、作品のテーマや作品の見せ方(ターゲット層)、登場人物の配置構成、は全く異なるので、ほんとに雑なくくり方ではあるのだけど、まだ見てない人は、そういうくくり方をした上で作品の構成要素の違いに目を向けてみると、両者の違いが際立って面白いかもしんない(てきとう)

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ヴァイオレット・エヴァーガーデンと同じく、構成、脚本、演出、登場人物(キャラクター)像、小道具、世界観、BGMなどなど、、、作品を構成する全ての要素がよく練られていて、作品のテーマを浮き上がらせるように無駄な贅肉を削ぎ落として綺麗に積み上げられている印象を受けました。

グッド・ウィル・ハンティングに関しては、『物語のラストに関わる部分で、(見る人に実体験がないと/見る人が想像力を働かせないと、)ちょっと説明不足に感じるんじゃないかなぁ』と感じる部分があったんだけど

※ 巷の感想をかっさらった印象としては、「やっぱりこの部分でひっかかった人が一定数いるよなぁ」という感想。

『この作品を見る人の多くは問題ない』って判断のもと、物語が冗長になることを避けて意図的にそうしたのかなぁ、と勝手に理解しています。いや、だって、わかる人からしたらマジで冗長だからね…。

以下、ネタバレ含む雑感。

主人公のウィルは、いわゆる『gifted』 (100年に1人、とか言われるようなレベルの『神様から特別な才能を与えられた者』)って前提から考えると

まわりの人達に助けられ、ときには、ウィルが間接的に助ける結果となり、

最終的に、ウィルが自分自身に向き合って、トラウマやコンプレックスを乗り越えて、一番のネックであったコミュニケーション能力(という言葉でまとめていいのかわからんけど、つまるところ『人との向き合い方』)を人並みにまで改善する、というヒューマンドラマそのものでもある、成長物語なのだけど、

ここまで成長すれば、能力的には人並み外れている以上、『その才能は如何様にでも開花できるに決まってるじゃろ(※)』って思えたので、

※ 作中の数学教授のように、"人間的にもできていて、一般的に言って『超優秀』な人"たちは、自分たちよりさらに優秀なgiftedをひと目見て放っておかないのが道理なので

『はるか先まで続く1本道を颯爽と進み続ける』エンドロール、にはグッとくるものがあった。

エンドロールの先には『ウィルが彼女と再開して、自分の能力をなにかの形で開花させられる、そんな幸せな未来つかみとれるだとう』と予感させられ、めちゃくちゃ良い余韻を楽しめた。

個人的に「親友との関係」は、成熟した段階(物語におけるラスト)では「いつまでも一緒にいる」より「(お互いを理解して)それぞれが幸せな道を歩むことを誇れる」関係に落ち着くのが心地よく感じるので、その点でこの作品はかなり自分の考えに近くて、カウンセラーのショーン・マグワイアや、悪友のチャッキー・サリヴァンとのラストの関係性は心地よいものだった。

改めて文字にして振り返ってみても、ほんと秀逸な作品だなぁ。