(非合法な)「臓器売買」を物語の主軸においた作品ってはじめて見た…。かなり面白かったのだけど…
ストーリーの展開(謎が解けては世界が広がって、さらに謎が増えて…という繰り返し)の仕方がスピード感あって、それでいて骨組みがしっかりしている感があって無理がないし、どんどん読み進めたくなる圧があった。
登場キャラクターたちも、キャラが立っていて魅力的で良い感じ。唯一、主人公は8巻まで読んでも行動原理がよくわからない印象を受けた。感情がないキャラクター設定なので、そういう位置づけかなぁとも思うのだけど、「感情がない」ことと「行動原理がない」こと、っていうのはイコールではないよな気がしなくもない。
※ ややネタバレになるのだけど、第3者から見て感情のないキャラクターが徐々に感情を取り戻していく、というストーリーだったので、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の主人公ヴァイオレットと類似するものがあるのだけど、ヴァイオレットの方は、感情がないように見える理由やそれらしい振る舞いに一貫性が感じられて合理的に見えたのだけど、この作品の主人公に関しては、なんかそういうふうには見えないと言うか、何かが違って見えた。自分の見たことのある作品の中では、似ている主人公でいうと、「殺戮の天使」の主人公レイチェルに近いように感じた。無垢って言うよりは、狂気に染まって全部壊れてる感。
異常殺人者や、非合法な臓器売買(現実にどうなってるのかわからないけど…)に関わる描写がとにかくグロい&救いがないので、気が滅入るのが難。
しかし、まぁ。面白い作品。