- 作者:栗村 修
- 発売日: 2020/06/19
- メディア: 単行本
トレーニングとして、Stravaのフィットネス(CTL)をひたすら上げていくだけで良いのかが気になったので、いろいろ調べていたら、栗村修氏の新著が 発売されていることを知り買って読んでみた。
結論から言うと、知りたいことがそのままズバリ書かれていて、めちゃくちゃ参考になった。
すごくざっくりまとめると、
ロードバイク用のトレーニングは、『パワートレーニング』と『ベーストレーニング』の2つに分けて考えることができ、
『パワートレーニング』は、レースに合わせてコンディションを整えていく(自分のポテンシャルを最大限発揮できるようにする)ためのトレーニング。これは、2020年現在では一般的になってきている科学的トレーニング手法(FTPやCTL、TSSといった数値を用いて日々のトレーニング量や現在の実力を把握する方法)として確立されてきており、もはや素人がとやかく試行錯誤する必要はない。理論に従って、狙ったところに自分を持っていけばいい。
一方、『ベーストレーニング』は、パワートレーニングで到達できるレベル(自分のポテンシャル)を押し上げるためのトレーニング。具体的には、ロードバイクに乗っていると使わない筋肉を鍛えるトレーニング全般。ロードバイクでは直接使わない筋肉というのは多いのだけど、そういった筋肉含め全身の筋肉をしっかり鍛えておくことが重要になる。
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という話を、実際に、栗村氏自身の現役時代の経験や、プロチーム『宇都宮ブリッツェン』での監督を務めてきた経験を通して、具体的に解説されていた。
- 素人が一過性のもので燃え尽きることなく、これからもいかに長くロードバイクを楽しんでいくか
- その上で、いかに効率よく、速くなるか
が、経験に裏付けられた言葉で、すごく分かりやすく噛み砕いて説明されており、めっちゃ刺さった。めちゃくちゃ刺さった。
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この本1冊を通して、栗村氏から何時間にも及ぶ講演を聴けた気分になった。Amazonで『高い』という評価を目にしたので、もしや内容が薄いのでは…、と読む前は心配になったのだけど、完全に杞憂だった。個人的には率直に言ってむしろ安いと思う。
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自分は、まだまだトレーニングをはじめたばかりで簡単に伸びる段階なので、本書が想定している『パワートレーニングを既にやりこんでて、レースにも出てるけど、伸び悩んでる』という層ではないのだけど、それでも十分に得るものがあった。
トレーニングは、長期のスパンで行うだけに(そういった経験のない)素人目には、『どこに向かうべきか』・『今どこに向かっているか』を見失いがちなので、こういう指針を示してくれる本はとてもありがたい。
とにかく良い本と出会えた。