本格的にリモートワークをするようになり 4kモニタ 1枚では作業効率が悪いので、もう1枚追加した。
選んだのは、LG電子の32UK550-Bでした。
LG モニター ディスプレイ 32UK550-B 31.5インチ/4K/HDR10/VA非光沢/HDMI×2、DP/FreeSync/スピーカー/高さ調節/フリッカーセーフ、ブルーライト低減
- 発売日: 2018/10/11
- メディア: Personal Computers
パネルの性能自体はわりと良い感じ、なのだけどデフォルトの色設定が、なんとも言い難いおかしさので、たとえば、写真を編集して他の人に渡す機会が多い、とか、紙に印刷することがよくある場合(モニタの色の再現性がちゃんとしていることが重要な場合)には要注意な機種、といった印象。
モニタの色の再現性にシビアでない場合や、色再現性が気になるけどキャリブレータをもっている場合は、このサイズ・スペックにしては、リーズナブルだしアリかなぁと思う。
32UK550-Bの話
選定理由
「31インチ」で「LG電子」製の安いものを。全体的に筐体が黒ければ尚良。くらいの理由。
LGの31インチ4Kモニタとしては最廉価なのだけど、
- VAパネル
- DCI-P3のカバー率95%、工場出荷時にキャリブレーション済み
- HDR10に対応
- AMD RADEON FreeSync対応
- その他、ゲーム用の調整機能をいろいろ搭載
とスペック的には良さげ。
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31インチを選んだのは、自宅の作業環境で4Kモニタをdot by dotで(=画面の拡大なしで)使える最小サイズが、机の奥行きと自分の視力のかねあいで 31インチなため*1。
他には『既に使っているモニタが31インチなので、31インチで揃えるとマルチモニタにしたとき違和感が少ない』という理由もないでもない*2。
当初は、余裕を持ってdot by dotで使える40インチ以上を狙っていたのだけど、手頃な43インチのモニタのサイズを確認したら物理的に大きすぎることが分かったのでやめた。
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「LG電子」に限定したのは、既に使っているモニタ*3のハードウェアカラーキャリブレーションをするための専用アプリ True Color Proが抱える問題を回避したかったため。(※ 結果的に問題を回避できなかった…。ので、LG電子を選ぶ必要はなかった。)
True Color Proの問題(というか、問題となる仕様)というのは以下の2点。
- 他メーカーのモニタと組み合わせたマルチモニタ構成で使うと『LG製品以外は対象外です』とのエラーが表示される
- ※ True Color Proでは他メーカーのモニタをソフトウェアキャリブレーションできない
- 他メーカーのモニタをキャリブレーションするために、汎用のキャリブレーションソフトをインストールしていると使えない
- ※ 汎用のキャリブレーション用アプリ i1 Profilerをインストールしているとアンインストールを促される
具体的に問題を噛み砕くと、他社製のモニタと組み合わせると
- 「31MU97以外の他社製モニタ」をキャリブレーションするときは、一旦True Color Proをアンインストールして、PCを再起動し、i1Profilerをインストールしてソフトウェアキャリブレーションし、
- 「31MU97」をキャリブレーションするときは、i1Profilerをアンインストールして、PCを再起動し、True Color Proをインストールし直す。
という、どうしようもなくめんどくさい手順を踏まねばならない。
使った感想
色再現性について
「DCI-P3のカバー率95%、工場出荷時にキャリブレーション済み」
を謳っているので、デフォルトでまともな発色なのかと思いきや、
初期状態の設定で、シャドウ部にゲインをかけるモードがONになっていて、黒色が思いっきり浮いていた(目で見て分かるレベルで白っぽい)。もちろんOFFにした。
また、輝度は高すぎだし、コントラストも高く設定され、RGBのバランスも少しおかしかった。デフォルト状態ではハードウェアキャリブレーション済みのモニタと比べて色味が明らかに異なっていた。
おそらくだけど、
『「工場出荷時にキャリブレーション済み」とは書いたが、「キャリブレーション時の設定で出荷している」とは言ってない』
みたいな感じではなかろうか…。キャリブレーションをかけたときの状態で出荷してほしい感がある。
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ソフトウェアキャリブレーションをかけたところ、ハードウェアキャリブレーション済みのモニタとほぼ同一の色味になった*4。パネルの性能自体は優秀な印象。
素人目には、2つのモニタで色味がほぼ一致したので結果的に満足。この点では、メーカを揃えた意味があったかもしれない*5。
各種機能について
HDR10対応なのだけど…、Windowsの設定で HDRをONにすると、色がおかしくなるのでオフにして使っている。
幸い?、DCI-P3 95%カバーを謳うだけあって、オフの状態でも暗部から明部まで視認できるので、オフで良いんじゃなかろうか…。*6
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あとは特に可もなく不可もなく。
キャリブレーション後は、そつなく使えるモニタになった。
31インチ 4Kモニタの他の選択肢
同じくらいの予算感で、LG電子製品にこだわらない場合、下記の製品が評判が良い感じ。
- ViewSonic VX3211-4K-MHD-7
- 32UK550-Bとスペックは同じ(おそらく同じパネル)
- 32UK550-Bより安価
- BenQ EW3270U
- 32UK550-Bとスペックは似ている(おそらく同じパネル)
- 32UK550-Bより少し高いが、評判は良好
余談
LG True Color Proの細かな実装ミス
True Color Proは、対応するモニタをWindowsのメインディスプレイに設定してない(他社製モニタをメインディスプレイに設定している)と、
『ケーブル不良で通信できません』
という紛らわしいエラーが出る(同じケーブルで、対応モニタをメインディスプレイに設定し直すと問題なく使えるので、実際にはケーブルに問題はない。この場合、エラーメッセージは単に『通信できません』でいいんだけど…)。マジ紛らわしい。
原因は、他機種とマルチモニタで使うことを想定し忘れているためだと思う。
4kモニタ デュアル構成の場合に必要なGPUのメモリ(VRAM)容量
4Kモニタ ✕2構成だと、GPUのメモリ(VRAM)を2GB以上消費するという記載を見かけたので、慌ててビデオカードを合わせて買い替えたのだけど、
実際のところ、2枚構成にしても消費VRAMは1GB程度のままだった。
※ 4Kモニタ✕1枚の構成でも、常時1GBほど消費する。また、Chromeをたくさん立ち上げたり、Lightroomを立ち上げると、2GB近くまで消費量が増える。
※ Windows10 からウィンドウ(2D)描画にDirect2D使ってGPU上で処理(VRAM消費)するようになったので、VRAMの消費量が画面サイズから計算される量(解像度×32bit)よりも多くなっているのかなぁと思う。900MBほどはコンスタントにバックグラウンドの処理に使われる雰囲気。
4kモニタでLightroom Classicを使う場合に必要なVRAM容量
Lightroom Classicって、4K環境だとVRAM大量にいるのでは?と思って公式サイトを確認したら、
『4K環境ではVRAM 4GB以上推奨』
と書いてた。今まで見過ごしていた。
それはさておき、ビデオカードを買い替えてVRAM容量が6GBに、帯域幅も大幅に改善したおかげ、だと思うのだけど、思った以上に、全体的にキビキビ動くようになった。
*1:27インチだと等倍は文字が読めない可能性が高い
*2:Windowsで片方だけスケーリングしていると色々不都合が起きるのだけど、今回はdot by dot の使用を前提としていたので、物理的なサイズは正直それほど重要じゃない
*3:LG電子の31MU97。ハードウェアカラーキャリブレーション対応のモニタ
*4:写真を撮ってみるとまだ色温度がずれてるのだけど…肉眼だとそこまで気にならない。
*5:他社製モニタとの組み合わせだと、キャリブレーションしてもどうにも色温度がずれることがあったりする。
*6:HDRをオンにすると、輝度を上げて、シャドウを持ち上げ、ハイライトを抑える処理がされるように見える…。明部から暗部まで見やすくはなるけど…、HDRの解釈間違ってないか、これ…。