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液晶モニタのカラーマネージメント(キャリブレーション)についてのメモ

目次

前ふり

引っ越しして1ヶ月、紆余曲折あり、ようやく自宅の書斎(PCの作業環境)を整えることが出来ました。少ない予算ながらも家具にも拘ったのでまた別の機会に記事にまとめるとして…

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今回の引っ越しを機に、新たに4Kモニタを追加。念願の4Kモニタも追加でき、トリプルディスプレイとなったため、『これで快適に作業ができる!勝てるッ!』と思ったのですが、だがしかしッ!

3台のモニタ間で色が合わないッ!

より詳しくは、以前から使っているEIZOのモニタ 2台は、別々の時期に買ったにも関わらず無調整でほぼ合っているのですが、今回購入したLGのモニタが明らかに色が違う…。

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(左から順に、FullHD(1920x1080), WQHD(2560x1440), 4K(4096×2160)と配置)

3台ともOSD上(設定上)は同じ6500Kの設定にも関わらず、LGの方はなんだか色温度が高い(寒色に寄り過ぎてる)感じ。

今回新たに購入したLGのモニタは、AdbodeRGB 99.5%の色域・出荷時にキャリブレーション済みと、セミプロ仕様のモニタ(という謳い文句)なので、『これが正しい色だっ!』と言われると、そうかもしれないんだけど。

このモニタ単体で見てもちょっと青味が強いというか。普段見慣れているEIZOの2枚が経年劣化で色温度が下がってるという可能性も有るのですが…。ひとまず、あまりにも違うので、LGのモニタの色温度を下げて、赤色成分を調整して、残り2枚のモニタと近い色合いにしました。

とりあえずふだんの作業には問題はないものの、キャリブレーション済み(のハズ)のモニタを変に調整して使っているという状況が

気持ち悪い!マジありえない!うぉーッ!!(言葉にならない)て感じなわけですよ。

しかもですね、今回、せっかく新調するからと、プリントのチェック用に高演色LEDを搭載したスタンド(↓)を買ったにもかかわらず

Z-LIGHT Z-80PRO B 高演色LED ブラック Z-80PRO B

Z-LIGHT Z-80PRO B 高演色LED ブラック Z-80PRO B

写真をプリントすると、どちらのEIZOともLGとも違う色味で印刷されるのです…。最悪や…。

本業でディスプレイの色が問題になることはないのですが、この状況は趣味(写真)で使うに辛い、辛すぎるッ。

人力調整(キャリブレーション)

当初モニタをデフォルトの6500Kに合わせているけど、よく考えてみると、スタンドは5000Kなので、モニタも5000Kで合わせたほうがいいんだよなぁ…。

というわけで、5000Kで調整してみた。

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EIZOの設定を確認したところ、RGB各色のゲインがデフォルトでRが強くなるように調整されていたのでLGに合わせて手動調整してみたら、まぁまぁいい感じになった。

とはいえ、完璧には程遠いレベルなので、各モニタの色を合わせるべくモニタのキャリブレーションについて調べてみた。(前ふり長ぇ

モニタのキャリブレーションについて

『モニタのカラーキャリブレーションとは?なぜする必要があるのか?』といった基本事項についてはEIZOの解説ページに、簡潔にまとまっているのでこちらをどうぞ

www.eizo.co.jp

簡単に言うと、モニタは経時変化で色が変わるし、個体差もあるので、常に正確な色が表示できるようにキャリブレーションしようぜ!って感じ。

ちなみに、キャリブレーションは具体的には、モニタープロファイル(どの色をどの程度の信号としてモニタに出力するかを決める対応表)を作ってやればOKという感じ。なお、ハードウェアキャリブレーション対応のモニタの場合、モニタ内にこのプロファイルを記録できるようになっているので、PC側では特に何もする必要はない模様。眼(色覚)に自信があれば、モニタープロファイルを直接手動で作ってもいいのだけど、現実的じゃないので、キャリブレーションにおいては、客観的な数値として色を計測可能な計測機器を使おうぜって話で、

その計測機器が、いわゆるカラーキャリブレータ。

んで、たいていカラーキャリブレータを買うと、カラーキャリブレータの出力に基づいてモニタープロファイルを作るためのソフトウェア(CMS; カラーマネージメントシステム)が付いている雰囲気。

カラーキャリブレータについて

安いやつ(1万円くらいで売っているもの)は、ゼラチンフィルタが使われているとかで、2年くらいでフィルタが劣化して、正確に色が計測できなくなるらしい。モニタは経時変化するためカラーキャリブレーションは1回きりというわけにはいかず、定期的に行う必要があるので、劣化しやすいキャリブレータは手を出さないのが無難。

あと、2万円前半の安いものは、付属のソフトウェアの機能が少ないらしい(6500K、ガンマ値2.2でしか合わせられないなど)。ただ、ソフトウェアに関しては、オープンソースで開発されているArgyll CMS と、そのGUIフロントエンド dispcalGUIの組み合わせを使うことで解決できる場合もある模様。

良さ気な製品

X-rite社の i1 DISPLAY, Colormunkiシリーズが鉄板ぽい。添付ソフトウェアも含めて完成度が高い雰囲気。

X-Rite 日本語対応版 X-rite i1 DISPLAY PRO 『並行輸入品』

X-Rite 日本語対応版 X-rite i1 DISPLAY PRO 『並行輸入品』

i1 DISPLAY Proが一番ユーザが多く、機能もこなれている雰囲気。

i1 DISPLAY Proの後継機(現行機)っぽい。調整にかかる時間も短くなっていて良いらしいのだけど、ここに挙げた3つの中では良いお値段。

X-Rite 日本語対応版 X-rite Colormunki DISPLAY 『並行輸入品』

X-Rite 日本語対応版 X-rite Colormunki DISPLAY 『並行輸入品』

この中では一番安い。付属ソフトウェアが微妙っぽいけど、ハードウェアは良い雰囲気。Argyllとの組み合わせでかなり使える感じになる模様。

他に、datacolor社のSpyderシリーズも良いらしい。(古いものは、添付のソフトウェアが使いづらかったが、最近のものは改善されているとの噂。)プロの中にも使用されている方がいるとかいないとか。が、情報が少ないので敢えて選択するかというと…。

CMSについて

オープンソースで開発されている Argyll CMS + dispcalGUIの組み合わせが高機能で便利らしい。対応しているキャリブレータの数も多い模様。

ただ、純正品より調整に時間がかかる(2,30分くらいかかる)らしい。

手間はかかるので、純正品で済ませるのも手。

もっと詳しく知りたい方向け参考情報

『JJsの日記』のカラーキャリブレーションに関する記事は、実際に各種製品を購入の上レビューされており、かなり詳しいです。また、Argyllの使い方に関しては国内屈指の詳しさだと思います。