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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー

DQ5は途中までしかプレイしていなかったので、DQ5を追体験できるという点でもこの映画、めっちゃ楽しめたんですよ。これはむしろ最高じゃないかと思ったくらいで。ラスト10分前までは…。

大人になったビアンカがとても魅力的に描かれていた。なるほど、結婚イベントでは多くのプレイヤーを悩ませただろうなと追体験した気分になれた。

また、ダイジェスト的なストーリー展開も、要所要所を抑えてつくったんだなと思えたので、むしろシーンごとの完成後の高さに没入できたし、映像は綺麗だし、知っているBGMが使われるとテンション上がったし、アリだなぁと。

ラスト10分前までは…。

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映画館で上映当時の、巷の評判もだいたい把握していて、ラストの展開さえもおぼろげに知っていたのだけど、

それでも、この展開はイマイチだなぁと思ってしまった。

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『つくり手からのメッセージを際立たせる』という意味ではとてもドラマチックで、胸に刺さる、わかり易い展開だったけれども…。このタイミングでこのシーンいるかなぁと思ってしまった。

途中から「今回は」というキーワードを登場人部が連発しだすので、まぁ薄々、視聴者がこの作品の二重構造に感づけるようにつくられてはいたけど…

せっかくラストまで作品の中の世界(DQ5の世界)に没入できて楽しめたのに、急に水を差されて、映画の中から文字通り現実に引き戻された感があった。作り手の狙い通りなのだろうけど、ちょっとやりすぎじゃなかろうか。もっとマイルドにやれただろうし、その方がこの作品には良かったのでは…という印象。

なんというかこう、一言で言うなら『冷や水を浴びせられた感がひどい』。

ラストの急展開に続いて『それでもこの虚構の世界は、たしかに、プレイヤーたちの中に存在していたんだ』というフォローが入って物語は終わるのだけど、急展開であまりに唖然としてしまい、白けてしまった。

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自分的には、このあたりの感想が的を得ているかなと思った。

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toyokeizai.net

犯人側の『ゲームは虚無だ』って主張がいまどきっぽくないというか、ゲームが1大産業・娯楽として確立している2019年にもなって、『ゲームなんか…』と考える人は大人の中にさえもほとんどいないのではないだろうか。

この点で、犯人にリアリティがまったく感じられず、ぺらっぺらというのは設定ミスな感じがする。

この作品の中では『虚構』にあたるDQ5の中の登場人物たちが、リアリティをもって魅力的に描かれていたのに対して、この作品の中では『現実』にあたる犯人が現実感がないくらい薄っぺらい、というのは冗談が過ぎる。