- 作者:ジャレド ダイアモンド
- 発売日: 2010/12/10
- メディア: 単行本
以前、サピエンス全史と合わせて親友にオススメされていたこともあり、人類史における病原菌との戦いの歴史を知りたくなって購入。病原菌に関する記載箇所(上巻の第3部)のみ読んでみた。
なぜかはわからないけど、自分とは相性が悪かったサピエンス全史と違ってめっちゃ読みやすい。
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アメリカ先住民ってヨーロッパ人(コロンブス)によって虐殺され数が減ったという漠然としたイメージがあったのだけど、最近の研究で『ヨーロッパ大陸から持ち込まれた疫病(菌・ウイルス)が原因で壊滅状態に陥った』ということがわかったらしく、強いショックを受けた。
ヨーロッパ大陸からもちこまれた疫病に対する抗体が全くなかったので、それまで数千万人の人たちが暮らしていたのが、数百万人程度まで激減したらしい。しかも、疫病が持ち込まれた原因がヨーロッパ人の奴隷によるものと知って、二重に衝撃を受けた。エグい。。。
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疫病で人類がピンチになったことってこれまでも何度もあったようで、過去の歴史に比べると、現代はウイルスと戦うための科学知識も医療制度も充実しているのだなぁと感じた。
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それはさておき、「銃・病原菌・鉄」の病原菌の歴史を見てると、致死率の極めて高いミクソーマウイルスが、1年程度で致死率が適度に低いウイルスに変わったという話があった。
ウイルスは『ウイルスにとって生存率の高い戦略をとる(変異を繰り返す)傾向がある』とのことらしい。しかも1年足らずの極めて短い期間に。ダーウィンの進化論が当てはまりそうにも思うのだけど、進化が早すぎてびっくりではある。(もっともウイルスの寿命からしたら長いのかなぁ…。動物の進化を早巻きに見ている感じなのだろうか。)
大半の感染者が無症状というSARS-CoV-2の性質は、その点に関して言えば自然発生ぽさがある(※人間社会にとってはこのうえなく厄介なのだけど、ウイルスにとっては拡散・生存しやすい)なと思った。
SARS-CoV-2は、「銃・病原菌・鉄」を見た限りでは過去に類を見ない性質のように思えることもあり、不思議なウイルスという印象がある。
最近のニュースでは3パターンの起源が考えられるという話もあり、どんな経緯から生まれたウイルスなのかは学術的に興味深い話ではある。