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α7RIIIの広いダイナミックレンジをフル活用すべきか否か、それが問題だ

タイトルのわりに大した話ではないので、高尚な話を期待された方には最初に謝っておきます。ごめんなさい。個人的な備忘録要素が強めです。

意図的に弩アンダーで撮影する手法

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現像前。がっつりアンダーで撮影。

デジカメはセンサ(ダイナミックレンジ)の特性上、アンダーで撮るのが良い

という写真業界の定説みたいなもの*1があり、

また、今のカメラ (α7RIII)に至るまでに『アンダーで撮ったほうが現像時に調整が効く』という経験を重ねてきたこともあって、

今のカメラを購入した当初は

  1. かなりのアンダー*2でRAW撮影し*3
  2. 現像時に、シャドウを持ち上げて色を復元する

という撮影手法を多用していました。

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現像後。+2EVしてから、色を調整。

なかでも、今のカメラを購入してからは、アンダーで撮影した後に こがめさんが公開されている現像フローを参考に現像することで、こどもの写真をめっちゃいい感じに仕上げられる、ということもあり満足していました。

ちな、こがめさんの現像テクニックは、一見すると撮影時の光線状況を変えてしまうようなパワーが有って(と表現すると、ネガティブな意味にとられないかと悩むところですが…、そう表現したくなるくらい『超参考になる』という意味合いで書いています。)、

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撮影時に光のコントロールが難しい状況、特に、ふだん自由に動き回っているこどもの写真などを、あたかも理想的なライティングをしたかのような仕上がりに近づけられるので、オススメです。

個人的な問題点

と、良い事だらけだったのですが、この撮影手法を用いて撮った写真(昨年ハワイに家族で行ったときの写真)を現像したところ、『暗部の階調が足りなくてガサガサになる』という事態に遭遇しました。

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現像前。アンダーで撮影。

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現像後。+1.5EVしてから、色を調整。
この程度の調整であれば日本国内での撮影で問題が起きたことはないのですが、このケースでは、特に右奥の山肌の階調がほぼ失われました(色ノイズが浮いてる状態)。

考えられる原因としては、おそらくは日差しが日本に比べてかなり強いので、ふだん日本で目で見ているとき以上に、日が当たっている部分と影の部分との明暗差が大きかった(→明暗差がカメラのダイナミックレンジを上回っていた)のかなぁと…。

アバウトに適正露出で撮影する手法

それ以来、撮影時に仕上がりがいまいち想像しきれない*4ことに、ちょっと怖さを覚えてしまい、

また、この撮影方法は現像にけっこう手間がかかる*5ため、自分のライフスタイル*6的にセレクト・現像時間を確保しづらいということもあって、なるべく撮影から現像までのラグを短くできるように、適正露出を心がけようと思い直し、今に至っています。

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現像時にガッツリ調整するマンから、撮影時に大方の調整を終えるマンに転向。

とはいえ、適正露出と言っても、『EVFで見てだいたい自分の仕上がりに近いイメージになっていればOK *7』というくらいのラフさでの撮影をしています。それでも、この撮影方法に変えてから、

  • 撮影時点で(EVFを通して) 、 ハイキーに仕上げたい写真は、ハイキーな仕上がりが把握できるし
  • 現像時に、ちゃちゃっと手直しするだけで済む*8

という点が心地よく

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このおかげで、撮影時には写真の仕上がりイメージづくりに、現像時には写真の最終仕上げ作業*9に、と写真を仕上げるまでの工程を分業化して専念できるようになったので、撮影・現像段階で迷うことが減り、自分的には、これが性に合うなぁという感触を得ています。

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適正露出を心がけてるので、全然現像時に調整しない、なんてことはなく、撮影時に判断をミスしたので+1EV。

α7RIII の特殊事情(?)

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現像時に-3EVしてハイライト側の階調を復元。現像前は、背景がほぼほぼ白っぽく、ロードバイクのフレームのうち、光が強く当たった箇所は白飛びした状態だった。

当然、撮影時に白飛びさせた部分は復元が困難なのですが、a7RIIIに関して言うと、シャドウ側ほどではないものの、ハイライト側(※ EVF/画面上で白飛びさせた箇所)にもRAWでは階調がいくばくか残っているので、ハイキーにしすぎたとき*10の保険になっています

まとめ

なんだかいつもになく締まらない文章を書いてしまったのですが、無理やりまとめるなら、

定石通り

『広いダイナミックレンジをフルに活用するなら、思いっきりアンダーで撮る』

ということになるかと思うのですが、

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『ハイライト側にもけっこう階調が残っているので、その分を撮影時に露出を判断ミスしたときの保険と考えて、ラフに適正露出を心がけて撮る』

というのも良かったよ(個人的に。特に、ふだんの撮影では。)という感じです。

ソニー SONY フルサイズミラーレス一眼 α7RM3 ボディ ILCE-7RM3

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(´-`)。○(正直、誰得なんだろうこの記事。という思いはある。)

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とりあえず、今買うなら、より一層の熟成が進んだ a7RIVではないでしょうか(突然の宣伝)。

個人的には、グリップがよくなったのと、露出ダイヤルにロックが付いたのが良いなぁと。あと、より精細になった最新鋭のEVFが気になります。

*1:詳しくは デジタルカメラは、露出アンダーで撮影すべき理由。ポートレートで明暗差のある場合。 | ヒーコなど。実際、物理(デバイスの構造)的にも間違ってはない話ではある。

*2:適正露出から -1EV~2EV

*3:画面全域がほとんど黒潰れしたような写真を撮り

*4:黒つぶれした暗部にどれだけ階調が残っているかわからない

*5:撮影写真を一通りプラス補正しないと、写真の細部がどうなっているか把握できず、セレクト作業に時間がかかる。また、現像時も暗部の色の復元にあたって、単にシャドウを持ち上げるだけ、とはいかないので、わりと手間がかかる。

*6:週末に家族で出かけて100~数百枚を撮りため、平日スキマ時間を使って、セレクト→現像している生活。

*7:だいたい適正露出±1EV

*8:自分の場合、思いっきりアンダーで撮った写真だと、『どんな色だったっけな』と考えるところから始める必要があったりで、現像にかなり時間がかかる。

*9:トリミングによる構図の調整や、色の微調整、レタッチ

*10:「しすぎる」って言っても、自分の場合、具体的には、細部をみると白飛びさせてしまっている、くらいのことが多いです。