ロードバイクで走るときには、今まではスマホ*1のカメラ性能に納得がいかず、トレーニングの場合は写真撮影は諦めてまったく写真を撮らないか、
カメラ用バックパックにフルサイズの一眼カメラ+交換レンズを放り込んで写真撮影メインで走っていた*2のですが、
NuAns NEO [Reloaded]を手にして以来、
『このスマホ、思った以上にポテンシャルがありそうなので、
もしかしたらカメラを持ち歩かなくても満足行く風景写真を撮れるかも!』
という気がしてきたので、
NuAns NEO [Reloaded]のカメラ性能(ポテンシャル)を最大限活かすべく『フルサイズ一眼に比べて雰囲気見劣りしない風景写真を残そう』と思って、色々撮りためてみました。
スマホで風景写真が満足行くレベルで撮れるようになると、
- 写真撮影をメインにしたサイクリングを荷物無しで気楽に走れるようになる(今までより軽装でより遠くへ、長時間のライドが可能に)
- (今まで諦めていた)トレーニングの時にも写真撮影が楽しめるようになる
など、今までよりサイクリングを楽しめる&写真を楽しめる範囲が広がって嬉しいなと。
結論から言うと、自分の用途(レタッチ*3前提)であれば、かなり多くのケースで満足の行く写真を得られるという結論に至りました。
『NuAns NEO [Reloaded]のデザインが好きで、このスマホを使っている』という場合には、撮影写真に現像処理で一工夫を加えることで、この機種に対してより一層の満足度が得られるかなと思います。*4
目次
撮った写真
草花など
道端の紫陽花。
道端の花壇にて。
雨上がり、葉についた雫が綺麗でした。
なんとなく原色の黄色が目を引いたので。
フードなど
梅を角砂糖につけました。
ケーキ屋のショーケース。ふんわり目に。
カラフルなガラス皿を近接撮影。
風景写真
雨上がりの晴れ間に。夏のような暑い日差しと、どっしりとした濃い青空。
早朝。日の出頃に朝焼けを見にサイクリング。オレンジから青へと繋がる淡いグラデーション。
青い空がところどころ覗く、曇りの日に。海沿いをサイクリング。
人物
私事ですが、2人目が生まれました。
お遊び:100均のマクロレンズでマクロ撮影
セリアで販売されているマクロレンズの評判が良いっぽいので試してみました。
これ(ミモザのドライフラワー)が
こうなりました。
倍率が高すぎて、何が何やら…(写っているのはミモザの先端部分です)。
キャンドゥのマクロレンズだと適度な倍率で、もうちょい使い勝手が良いらしいです。
いずれにしても、この手のマクロレンズ(いわゆる、コンバージョンレンズ)はレンズから被写体までの距離が実質的に固定されます。
NuAns NEO [Reloaded]との組み合わせだと、レンズから数cmの位置でしか撮影できませんでした。
撮影できるものが限定されますが、100円で遊べることを思うと悪くないかなと思います。
掲載写真に関する補足説明
全写真、現像(色の調整)済みです。NuAns NEO [Reloaded]ならこれくらいにまで写真を仕上げられるという目安になれば幸いです。なお、レタッチ(色の調整)にはLightroom Mobileを使っています。
スマホの小さなセンサなので、フルサイズ一眼のように現像時の調整幅が大きくあるわけではありません(調整幅は±0.3EVあるかないかといったところです)。やはり、自分の満足行く仕上げにできるのは素の性能があってこそという気がします。
NuAns NEO [Reloaded]のカメラ、『JPEGの範囲(各色8bit)内にけっこう階調を残せている』という点で、レタッチ前提で使うには良いのではないでしょうか。閑話休題。
なお、標準のカメラアプリでの撮って出し(後処理なしでの撮影)だけでどこまで撮れるか、という企画は公式のinstagramアカウントで行われております。
掲載写真のレタッチ内容
- シャドウ側の階調はけっこう残っているので、白飛びしないようにアンダーで撮影
- 現像時
- 適正露出になるように、露出を+に
- ハイライトを抑えて、シャドウを持ち上げる
- 色がやや薄味なので、自然な彩度、コントラスト、明瞭度などで微調整
- 空や海など輝度が高い箇所がある場合は、部分補正で対応
どの写真も基本的に、こんな感じで調整しています。あとは撮影意図によって微調整しています。
カメラに関するTips
マニュアル操作する
- 画面右下のアイコンから、ISO, WB, 測光(AE)方式などを選択可能なExpertモードに切り替え可
- 現状、シャッター速度は指定不可
- 現状、RAW撮影も不可
- 画面下を上方向にスワイプするとマニュアルフォーカス可能
スリープ状態から素早くカメラを起動する
- スリープ状態で電源ボタンを2連打でカメラ起動
ちなみに通常時にExpertモードで使っていても、この方法でスリープ状態からカメラアプリを呼び出すと必ず通常のカメラモードで起動する。(ロック解除前の段階で呼び出されるため、セキュアな特殊モードで起動しているらしい。)
なお、ロック解除後に電源ボタンを2連打すると、ふつうにカメラアプリが立ち上がる
手ブレをふせぐ方法(シャープな写真を撮るための対策)
- 対策: ISO800または1600(高感度)に固定して撮影
- Expertモードで設定する
- 気をつけること: 設定したことを忘れて、うっかり晴れた日に高感度のまま撮ってしまう(低感度に比べ画質が落ちる)ことがある
- 対策:タイマー撮影(1s, 3s)を使う。
- シャッターボタンをタップしてから、シャッターが切れるまでに間ができるので、その間に、しっかり本体をホールドする。
- 気をつけること: 静止物だと問題はないものの行く、動くものや人を撮る場合にはタイムラグが生じて不便(特に、撮られる人からするとタイミングが分からないので困惑する模様)
- 気をつけること: タイマー動作中に、再度シャッターボタンをタップしてしまうと撮影がキャンセルされる
- 対策:スマホ用三脚を使う
NuAns NEO [Reloaded]のカメラに関する所感
カメラのポテンシャルは高い気がする
出てくる画像のダイナミックレンジはけっこう広く、低ISOでは階調が豊富に残っています。
また、手ブレしなかったときのキレ具合はなかなかに良好です。
総じて、ポテンシャルは高い感じがします。
カメラアプリの挙動に関しての印象
オートで上手くとれる場合と、ホワイトバランスや露出補正、HDR撮影を積極的に使う必要がある場合とがあります。
ものすごくアバウトな評価になりますが、カメラアプリの撮って出し(無加工)での写りに関しては
- iPhoneが、80-90点をコンスタントに出してくれるのに対して、
- NuAns NEO [Reloaded]はたまに90点、シチュエーションによっては60点以下を出すときとがある
という印象を受けています。※ あくまでも個人的な印象です。
カメラアプリの挙動に関しての推測
具体的には
- 遠景:
- 高確率でオートで綺麗に写る
- AFは素早く問題なし
- 自然(特に、青や緑)の発色は綺麗
- 近距離(被写体に手が届くくらいのケース):
- ふつうに撮れるケースと、以下の問題が出るケースがある
- AFは迷いがち
- iPhoneだと迷わない場面で迷う
- 対策:マニュアルフォーカス
- WBが暴れやすい
- 被写体だけをアップで写しす(被写体が画面の大半を占める)時、特に
- 対策:人物撮影時は、オートで妙な色の場合、ExpertモードでWBを昼光色に設定すると良好な色合いになることが多い
また、カメラの露出制御に関しては、
- 『ISOオート』はなるべく感度を上げずに低速シャッターで粘る
- ので、被写体ブレ・手ブレし易い
- 『ISO(HJR)』*5で、気持ち早めに感度アップ可能 (シャッター速度の下限が 1/15s → 1/30sくらいになる)
- 発色傾向は、やや薄味(少しくすんで見える印象)
- 露出補正±0の状態でトーンは、ハイライトが飛び気味、シャドウは潰れ気味になる。
- 高感度耐性は、良好
- ノイズは出るものの、ISO1600あたりまでけっこうディテールが残っている
- 手ブレしなければ、ピントが合っていれば
という雰囲気です。*6
癖はありますが理解して使えば、ある程度はユーザー側で対処できるレベルだとは思います。
他のスマートフォンに比べて手ブレしやすい気がする
撮って出しの状態でも、晴天下の屋外では、本当に気持ちのよい描写をするのですが、
天気がイマイチのときや室内での撮影(=光量が少ない条件での撮影)では、シャッター速度が落ち、手ブレでエッジが甘くなることが多いように感じます。
撮影写真のデータを見返してみたところ、自分の場合、1/100s*7を下回ると高確率で手ブレしていました。
ISOオート、ISOオート(HJR)のいずれにしても、ISO感度がベースのISO100からアップした際は、シャッター速度は 1/15s ~ 1/30sあたりまで落ちるようです。このため、光量が減ってくると(≒晴天下の屋外以外では)、手ブレの確率がぐんと上がっているのではないでしょうか。自分だけかなぁ…。
巷の評価が高くない原因についての考察
しかしながら、一般的には、上述の要因が絡まって、(多くの人はデフォルトのカメラアプリをオートで使うであろうことから)
- 発色がイマイチ
- (手ブレ、ピントずれにより)
キレがない、ボヤっとする、夜景が綺麗に撮れない(→高感度耐性が低いという誤解)
という評価を得がちなのではないでしょうか。
結論:NuAns NEO [Reloaded]のカメラは良いよ
NuAns NEO [Reloaded]のカメラは、レタッチ前提で使う(自分の場合)なら、SNSにアップしたり、家族や友人にスマホで写真を見せるといった用途に、十分に満足が行くレベル*8だと思いました。
かたやデフォルトのカメラアプリの撮って出しに関しては、『すごくキレイに撮れる!』と感じる人は多くないように思います。
自分の思ったようにレタッチする(撮影意図を写真に反映させる)には多少の知識は必要になるので、誰にでも簡単にすすめられることではありませんが、
『NuAns NEO [Reloaded]のデザインが好きで使っている』のだけど『カメラの性能がもう少し欲しい』と感じている場合には、ぜひレタッチ(いわゆる現像処理と同等の後加工処理;写真)の世界に足を踏み入れて欲しいなぁと思いました。
NuAns NEO [Reloaded]には、自分が目にした光景を、感動を、人に伝えられるという、写真の楽しさを味わえるだけのポテンシャルがあるのだから。
なお、この記事でいうレタッチ処理は、デジタル写真の現像処理に準じる処理を行っています。レタッチ内容についての詳細な説明(用語の意味など)は、『RAW現像』に関する解説書が参考になると思います。
*1:iPhone5, 他雑多なSIMフリー端末
*2: しおいんですけどという有名サイトの方がSONY のα7を背負って走られていると知って、じゃぁ自分もできるだろう、という安直な考え
*3:ざっくりいうと、撮影データの色を調整・補正すること。現像処理と呼ばれることも。なお、現状、NuAns NEO [Reloaded]はRAWファイル形式での撮影はできず、JPEGファイルでの保存のみとなるため、いわゆるRAW現像で行える処理全て(色温度を絶対値で指定する、レンズプロファイルを用いて収差を補正するといった処理など)は行なえません。
*4:意訳:スマホに求めるものがカメラ性能である場合は、他の機種がオススメ。
*5:HJRはHand Jitter Reduction(手ブレ抑制)の略
*6:いずれも、小型センサーあるある、というレベルの話という気もします。
*7:もともと手ブレのしづらい焦点距離28mm(35mm判換算)の広角レンズにも関わらず、信じられないことにこの速度で手ブレしています…。同じシチュエーションでも、iPhone5や6では手ブレしないので、NuAnsNEOのボディは地味にホールドしづらいのかもしれないと思っています…。
*8:振り返ってみて、『一眼を持っていけば良かった…』とは後悔しないレベル