Qualcomm Snapdragon810 ~ 855, Apple A9 ~A12 Bionic の性能・アーキテクチャに関するメモ

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ふと、『iPhone/Android端末のSoCの性能って、どう変遷しているんだろう』と疑問が湧いたので調べてみた。

最新のSnapdragonが登場するたびに喧しい宣伝がなされるのだけど、実際のところiPhoneに比べてどうなのよ、って疑問がことの発端。

まとめてみた所感

SoCの性能に関して

『最新のSnapdragonの性能は、おおむね、Appleの最新Axx プロセッサの後追い』

という雰囲気*1

AppleとQualcommの攻防具合

時系列で見ると、今に至るまで、おおむね以下のような展開が繰り広げられている。

  1. Apple 最新プロセッサAxx 登場
  2. 少し遅れて Qualcomm 同性能+αのSnapdragon発表
    • 約半年後に登場

ミドルレンジのSoCについて

ミドルレンジのスマホって、ハイエンドのものに比べて使いものにならなくなるのが早い印象があったので、調べてみた。

Snapdragonのミドルレンジは、だいたい1~2世代前の性能。1世代前のハイエンドより性能が低いことがザラ。

Antutuスコア比較表

Antutu Ver.7以降のスコアをまとめた。スコアはおおよその値。

SoC 総合スコア 3Dスコア
Snapdragon 810 100,000 40,000
A9 150,000 80,000
Snapdragon 820 160,000 65,000
Snapdragon 625 80,000 13,000
Snapdragon 630 90,000 19,000
Snapdragon 660 140,000 30,000
A10 190,000 80,000
Snapdragon 835 200,000 85,000
A11 Bionic 270,000 95,000
Snapdragon 845 270,000 110,000
Snapdragon 710 170,000 n/a
A12 Bionic 340,000 140,000
Snapdragon 855 340,000 n/a

Snapdragonの歴史

Snapdragon 810

  • 2014年4月7日発表
  • プロセスルール 20 nm
  • オクタコア

発熱の多さが問題になったプロセッサ。国内では、Xperia Z4の発熱問題が有名か。

Snapdragon 820

  • 2015年3月3日発表
  • プロセスルール 14 nm LPP*2
  • クアッドコア
  • ライバル : Apple A9
  • 派生品:ミドルレンジ版 625, 630, 660

Snapdragon 835

総合:約20万点, 3D:約8.5万点 (Antutu Ver.7以降)

  • 2017年1月3日発表
  • プロセスルール 10 nm LPE *3
  • CPU: Kryo 280 オクタコア
    • 4 x (2.45GHz)
    • 4 x (1.9GHz)
  • GPU : Adreno 540
  • NPU : Hexagon 682
    • Hexagon SDK呼び出すことで利用できる
  • ライバル : Apple A10
  • 派生品:ミドルレンジ版 650 (618), 652 (620)

Snapdragon 845

  • 2017年12月5日発表
  • プロセスルール 10 nm LPP
  • CPU: Kryo 385
    • 4 x Cortex-A75(2.8GHz)
    • 4 x Cortex-A55 (1.8GHz)
  • GPU : Adreno 630
  • NPU : Hexagon 685
    • 835比で3倍
  • ライバル : Apple A11 Bionic
  • 派生品:ミドルレンジ Snapdragon 710

Snapdragon 855

  • プロセスルール7nm
  • CPU: Kryo 480
    • 1 x 高性能コア(2.84GHz) PrimeCore
    • 3 x パフォーマンスコア(2.42GHz)
    • 4 x 省電力コア
  • GPU : Adreno 640
  • NPU : Hexagon 690
    • AI処理用のDSP
    • 845比で3倍
    • スカラー、ベクトルの処理、テンソル処理を高速化する「Tensor Accelerator」を搭載
    • ※ 実際の“AI”演算処理は、Adreno、Kryo、Hexagonの演算ユニットを組み合わせることで実現
  • ライバル : Apple A12 Bionic

その他の特徴:

  • シングルコア性能が大幅向上
  • LTE回線(2.0Gbps)対応 (X24モデム内蔵 )
  • 5G回線対応・世界初(X50モデムが必要)
  • 60GHz Wi-Fi 802.11 ay対応・世界初(60GHz帯, 最大10Gbps)

Apple Aプロセッサの歴史

Apple A9

  • iPhone 6s, SEに採用

Apple A10

  • iPhone 7 Plusに採用

Apple A11 Bionic

  • iPhone X, 8 Plusに採用
  • 10nm FinFET プロセス
  • CPU
    • 2.39GHz, 6コア (2× Monsoon + 4× Mistral)構成
    • 全コアを同時利用可能
  • GPU
    • Apple自社製  - 3コアGPU
  • ニューラルエンジン
    • AI演算用のコプロセッサ搭載
    • 性能指標 6,000億回/秒
    • Core MLライブラリを呼び出すと自動で利用される

Apple A12 Bionic

  • iPhone XS, XS Maxに採用
  • 世界初7nm FinFETプロセス
  • CPU
    • 6コア (2×Vortex 2.5GHz + 4×Tempest 1.5GHz)構成
    • 全コアを同時利用可能
  • GPU
    • Apple自社製  - 4コアGPU
  • ニューラルエンジン
    • 性能指標 50,000億回/秒

参考資料

Antutuベンチマークまとめ

仕様諸元

*1:ベンチマークがSoCの実性能の全てではないものの、Antutuのスコアから推測するにそんな雰囲気。Android2.xとかiPhone3Gのあたりから適宜購入して追っかけている実感としてもそんな印象

*2:Low Powe Plus, advanced low power processing (LPP) ;低消費電力プロセス

*3:Low-Power Early; FinFETの早期の低消費電力向けプロセス。導入初期の試験プロセス、という感じ。