この夏、『水出しコーヒー』なるものを覚えて、何度となく淹れては飲んでみて得た知見(おおげさ)と感想をまとめてみる。
※ 夏休みの自由研究。ではない。
目次
まえがき(『水出しコーヒーとの出会い』)
この夏、大阪・天満の響珈琲のカウンターテーブルに見慣れない器具があった。こんなやつ(↓)
店長に尋ねてみたら『水出しコーヒー用』とのことで、水出しコーヒーについて色々教えてもらった。
専用の器具を買わなくても、自宅で簡単に作る方法を教えて頂けたので
少し前に買ってはみたもののあまり好みではなかったために持て余していた珈琲豆を使って、水出しコーヒーをつくってみたのがことの発端。
水で珈琲が抽出されるという面白さに目覚め、この夏が終わるまでに何度となくつくってみた。
『水出しコーヒー』とは
水出しコーヒー(iced brew coffee, cold brew coffee)は、その名の通り、珈琲をお湯ではなく『水』でつくったもの。
ダッチコーヒーと呼ばれることも。*1
参考: 水出しコーヒーとは|その起源と味の特徴 | THE COFFEESHOP(ザ・コーヒーショップ)
苦味・酸味が出ない、雑味が抑えられるといった点が特長。
珈琲のコクと香りはしっかり出るので、とても飲みやすいクリアな味わいの珈琲になる。
つくり方
必要なもの
- 珈琲豆
- 冷水
- 容器
- お茶パック
つくり方の概略
- 珈琲豆を細かめに挽く
- 挽いた豆を水に放り込む
- 冷蔵庫で一晩寝かせる
以上。
基本は放置プレイ。
時間はかかるものの、手間はかからない。
写真付き手順まとめ
豆を用意する。
ドリップするときよりも細かめに挽く。
※ ドリップの場合のように粉が撹拌されることがなく、珈琲の粉と水(湯)との接触面積・頻度が限られるため、なるべく抽出されやすいように細か目にした方が○
お茶パックに詰める。
必要量を作成する。
冷えた水を投入する。
※ ぬるい水を入れると速攻で抽出され、冷水で時間をかけて抽出した場合よりもクリアさに欠けた味になる。(反省)
8時間位、冷蔵庫に保存したら完成。
同じ豆でも、ドリップした場合と異なり、かなりクリアな風味が味わえる。
※ さらにもう一手間加えて、冷蔵庫で抽出した後、コーヒーフィルターで漉すと、お茶パックから漏れ出た微粉末を取り除けるのでオススメ。
知見
この夏、スーパーで販売されているグラム200円ほどの安価な豆から、グラム1000円を越える等級の豆(スペシャリティコーヒー)まで使って色々試してみて気づいたこと。
- 浅煎りの豆より、深煎りの豆の方が珈琲らしい味の水出しコーヒーになる
- 苦味よりも酸味強めの豆(≒浅煎りの豆)を使うとクリアと言うか淡白な感じになり易い
- 深煎りの豆だと、クリアでありつつも、苦味・酸味が適度に残った感じになり易い
- 高価な豆は、水出しコーヒーにしても美味しい
- 水出しコーヒーにすると、ドリップの場合に比べて雑味が減ってクリアになる反面、風味(苦味や酸味)がけっこう落ちてしまうのだけど、高価な豆だと、クリアさと風味が高いレベルでバランスする。
- 微妙な豆は、水出しコーヒーにしても微妙
- ふつうに飲んでいまいちに思う(雑味が多いと感じる)豆で、雑味が減ることを期待して水出しコーヒーを作っても、美味しくはならない
- むしろ、その豆のいまいちな点が際立ってダメ
感想
適切な豆を選べばクリアな風味が得られて、喉が渇いたときにゴクゴク飲める珈琲が完成するのだけど、
ドリップの場合に比べれば確実に風味が落ちるので、なんか豆を無駄遣いしている感が否めなかった。
あと、豆の細かな違い(甘みとか香りとか)がかなり薄れるので、店頭で豆を選ぶ楽しみが減るというのもある(減るというか、豆を選ぶ意義が薄れるというか…)。
結局、ひと夏つくり続けた結論として、
『豆を購入してまで飲みたかった珈琲はこれだろうか?』と自問自答してしまい、
自分の場合、
『水出しコーヒーはもういいや』
ってなった。
とはいえ、水出しコーヒーを試してみたことで、雑味があっても*2、ドリップで豆の風味をめいいっぱい楽しむほうが自分の好みだと改めて気づいた。
と、なんだかネガティブなことを書いてしまったのだけど、
謎のフォローを入れると、水出しコーヒーだと、いつもの豆を使って、スタバのコーヒー並に飲みやすいコーヒーができるので、一度は試してみると楽しいと思う。というか、冷水で時間をかけて抽出するという体験は新鮮で楽しかった。
あと、メリットとしては水出しコーヒーは珈琲が好きでない妻が好んで飲めた。好きになるかどうかは、ほんとこれはもう好みの問題だと思う。
あと、夏場、『お湯を沸かして珈琲を淹れるなんてとんでもない』という状況下で、手軽に珈琲が飲めるのはメリットだと思う。
なんだかんだ書いたけど、来年もまた水出しコーヒーをつくっているかもしれない。