発売以来、ショップへの入荷が困難になるくらい自転車乗りに絶大な人気を誇っている(っぽい) knog社のOiという、超絶見た目がスタイリッシュな自転車用ベルがあるのですけれど、
このOi、クラウドファウンディング(kickstarter)で募集がかけられたときから設計図らしきものが公開されており、
『あ、これ。アカンやつや…ない?』
と思ったら、案の定、本家の発売前に中国(?)からコピー品が出回るという、
なんだか巷で風の噂に聞くような事態を地で行っている、という現状のknog Oiなわけですが
このたび本家のknog Oiと、Oiのコピー品と思しきモノ(以下『パチモノ』と呼ぶ。)の両方を購入してみたので、細部を比較してみた。
twoc (Oiのパチモノ;赤色)
購入の動機
このパチモノをゲットした理由は至極単純で、
本家のOiのカラーが、
- ブラック、シルバー、ブラス(真鍮)、カッパー(銅)
という落ち着いた4色に対して
パチモノは、
- ブラック、シルバー、ブルー、グリーン、レッド
というビビットな色を含む5色。
黒色のクロスバイクに
3倍速く走れそうなアクセントになる真っ赤なやつがほしい!
という個人的な希望を満たしてくれて、値段もお手頃(送料込みで$10以下)だったので、物は試しに買ってみた次第。
日本国内では、FengNiao,LANYI, Autotimeみたいな名前のところ?から売られてたりもする模様。メーカーロゴがプリントされてないものもあるが、構造は同じようにみえる。
こんな感じ。パット見は、本家と特に変わらない。説明書によると、ベルの部分はアルミをCNC加工したものらしい。塗装はアルマイト処理、だと嬉しいのだけど不明。
いや、まぁ、twocってロゴが入ってるのが超絶ダサいのだけど。
で、まぁこいつを取り付けるとですね、こんな感じ。
劇的じゃないBefore&After
取り付け前(Before)
取り付け後(After)
細部のチェック
+ネジでバーに止める仕様。
なんかこの時点で、『んっ?』って感じではある。いや、実用上の問題はないからいいんだけどさ。
ベルを打つ部分(とりあえず以下では『ハンマー部』と呼ぶ。)の構成。指がかりをよくするためか波状になってる。なんか安っぽい。
バネだけで支えられている感じ。左右にグラグラする。すぐ壊れそうではある。これ、走ってると地面からの突き上げなどの衝撃で斜めを向くんよ…。ま、実用上の問題はないんだけどさ。
一見問題ないように見えて、難ありな部分。
わりと硬めのプラスチックで、完全な円に成形されてるので、取付時に、グイッと力をかけて開く必要がある。取り付けの際、壊れないかちょっとドキドキした。こえーよ。
ちなみに、このベル部と、プラスチックの本体部とは、双方に設けられた凹部にバネが嵌められているだけでつながっているので、衝撃を加えるとわりと簡単に外れる。実際、ちょっと手元が狂ってベルに当たったときに一回外れた。山道とか悪路を走ってるうちにとれそうな気がしないでもない。
取付時にビビったポイントとして、+ネジを受ける側が、タダの六角ナットで、しかも筐体にはその六角ナットより大きな径の凹部が設けてあるだけという。
六角ナットからネジを外すと、六角ナットが簡単に本体から抜け落ちる。これも、一度取り付けてしまえば、実用上の問題はないんだけどさ。コストカットを目の当たりにした感ある。
総評としては、なんというか、見た目のまともな製品っぽさとは裏腹に、細部は全体的にコストカット感(手抜き感)が感じられる。
自転車ベル バイシクル ベル 隠れる式で ベルとしての高実用性も追求 (レッド)
- 出版社/メーカー: FengNiao
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
knog Oi (Oi Large;黒色)
取り付けたときの外観
ロードバイク購入時に、合わせて黒色のOi Largeを買った。という話は以前に書いたので、興味のある方は読んでもらえると嬉しい。
細部チェック
ハンマー部に"Oi"って刻印が入ってる。パチモノよりも、見た目はこっちのほうが好み。
構造的には、左右がしっかりガイドされていて、ハンマー部がぐらつかないようになってる。良い。
正面、プラスチックの本体部分にうっすらと"knog"と刻印が入ってる。渋い。
固定は六角穴のボルトで。こう、分かってる感があって良い感じ。
ちなみに、ロードバイク用のOi Largeには、本体部分内側にケーブルを通すスペースが設けられている。Cool!!*1
んで、パチモノとの差を一番感じたのがココ。
ボルトの受け側は、歯車型(っていうの?)のナットで、本体側にほとんどクリアランスのない状態で埋め込まれている(本体側にも歯車型の凹部が設けられている)。当然ボルトが外れても微動だにしない。
細部まで手を抜かない感じが最高にイケてる。
ちなみに、プラスチックの本体部は、一部異径のリング状になっていて、取付時に容易に開くことができる。ちゃんと考えられた形状だなぁと感心した。
総評としては、本家の貫禄を見せつけられたというか、もうね、ほんとknog Oi最高。
両者の違い(まとめ)
knog Oi | twoc(Oiのパチモノ) | |
---|---|---|
プラスチックの本体部 | 一部えぐった(異径の)形状 ※ ハンドルバー取付時に楽に開ける |
真円形状。 取付時、力を入れてリングを開く必要あり |
固定ボルト | 六角穴 | +穴 |
ボルト固定部 | しっかり固定された星型ナット | 六角ナットが置かれているだけ ※ スカスカの状態で嵌っている。ボルト固定時、浮いてるので少しめんどくさい。 |
ベル表面 | 一切のプリントなし | メーカー名がプリントされている |
ハンマー部 | ガイド付き | ほぼガイドなしバネの力のみで固定。 ※ 軽い衝撃で左右にブレる |
ベルの固定方法 | ? | 凹部にバネが嵌っているだけ ※ ベルがとれ易い |
雑感
パチモノは、各部の設計に、設計意図が感じられない、という感じでほんとパチモノだった。
一方、knogは細部までほんとよく詰めて考えて作られているという感じで、
knog Oi最高なので、もしパチモノを買うか悩んでいる人がいたら迷わずOiを買ったほうがいいよ!という感じ。
ちなみにOiは内径の違いでLargeとSmallの2つがあるのだけど、ロードバイク用はLargeの方なので購入の際は、サイズにはご注意を
2017/9 追記
パチモノの方は、コケた弾みでどこかに飛んでいってしまったので、結局knog 黒に買い換えた。これで、所有している自転車3台ともベルがknogに。
パチモノは、走行中にハンマー部分が、水平方向に回転して(※ ハンマーを支えるバネがねじれて)ベルを叩けなくなる、など造りの粗さが気になった。
赤色だったのは良かったのだけどなぁ…。
*1:クロスバイクや一般車用のOi Smallには残念ながらない