α7(フルサイズ)でSMC Pentax-FA J 18-35mm F4-5.6を使ってみたレビュー。
巷での評価は散々だが、真実はいかに。
まとめ
APS-Cでのレビューとの差異点を太文字で強調している。
○ よいところ
- 超広角~純標準 画角をカバーしており使い勝手が良い
- 歪曲もさほど強くなく、超広角を手軽に楽しめる
- スナップに最適 (なにげにDA12-24mmの35mm判換算距離と同じである)
- とにかく軽い・小さい
- α7との組み合わせで、フロントヘビーにならず重量バランスが良い
- 逆光耐性がけっこう良い
- 超広角レンズとしてハンドリングし易い
- ただしフード要
- 色ノリが良い感じ
- FAレンズよりはDAレンズっぽいコントラスト・彩度の高さ
- 解像力・色収差に関しては実使用に耐えうる程度に良い
- 解像力は、フルサイズ2400万画素であればドットバイドットで解像するかしないかといったところ
- 色収差は、外周部には出るものの、フルサイズ2400万画素であれば1~2ドットといったところでひどくもない
- 開放から安定している雰囲気
- ボケ味はわるくない
- 感覚的には、近距離においてDA35F2.4と同程度
- やや硬さの感じられるボケ味ではあるが、露骨な二線ボケなどは生じにくい雰囲気
- ピントリングの回転角は大きめ
- MFでピントを合わせ易い。
△ いまいちなところ
- 鏡筒の作りがおそろしく安っぽい
- PENTAX史上最も簡素なのでは…
- 広角側で樽状の歪曲
- 直線の多い建築物を撮影すると、中央部が膨らみ気味になって気になる
- 周辺減光はそれなり
- 無茶苦茶ひどくもないが良くもない。後処理で手軽に修正可能な範囲ではある。
- ピントリングの感触が軽い
- スカスカという程でもないがトルク感は0
- ピントリングの位置がレンズ最前面スレスレで、幅もない
- ピントリングをつかむとき指が前玉の枠に当たるので、ちょい掴みづらさを感じる
- フードが高い
- レンズと同時に入手するべき
※ 使いこなすためのTips
- (フードがない場合)画角外からの斜入射光が入るとフレア・ゴーストが派手に出る
- 画面内に光源を配置する分にはさほど問題にはならない
- 光線の状況が読めない場合、フードをつけたほうがいい
- 周辺部で色収差が見られるが、Lightroomのフリンジ除去で消去可能
- 光芒は6芒星
- クロスフィルターいらず
- 必ずしも綺麗には出ない(若干、毛羽立つ感じになるときがある)
- 現像(後処理)でかなり現代的な映りにもっていくことが可能
- かなりニュートラルな描写なので弄りやすい
- エッジ部のコントラスト・シャープネスを強くするだけでも、現代的な描写ぽくなる
作例
フードはなし。jpg撮って出し(STDモード)。
わりと上手くハマった例(自画自賛)
中央部の歪曲が気になる例…
太陽を画面内に入れた例。ゴーストは出るが、フレアはさほどひどくもない。
道頓堀。ちなみに、中央左のビルがぐにゃっと見えますが、これ、こういう形のビルだから。 なお、後処理を加えたバージョンを別記事に載せています。
周辺減光はこんな感じ。
光芒(左上)があまり綺麗に開かない場合の一例。
α7との組み合わせでは、シャドーの微妙な陰影もきっちり拾ってくれる印象。
雑感
超広角をカバーするにもかかわらず、全方位的にソツなくこなす印象。とはいえ、★レンズやLimitedレンズのような華やかさ・繊細さはない。極めてニュートラルな感じ。
かなり安く手に入ったため、現状の満足度はおそろしく高い。中古で1万円近い値段が付いていることがあるが、その場合、満足度は下がるかもしれない。
ただ、フードの有無を確認し忘れ、フード無しのものを買ってしまった。上述の通り画角外からの斜入射光にとても弱いためフードは必須。手をかざして遮光すればなんとかなるが、痛恨のミスでしかない。このレンズに合う67mm口径の純正フード、とても高いので中古で購入する際には絶対に気をつけたい。絶対にだ。
PENTAX レンズフード PH-RBL67 (DA16-45mm・FAJ18-35mm用) 38737
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- メディア: Camera
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なお、巷の評価を眺めていると、片ボケした個体などある模様。鏡筒の作りがおそろしく簡素なため、光軸がずれやすいのかも。中古で買うのはけっこうギャンブルな可能性がある。