SIGMAから発売予定の新型マクロレンズ 70mm F2.8 DG MACRO | Art (Eマウント版) がとても良さそうだなと。
贅沢にFLDレンズを2枚使っていながら、定価で70,000円を切る価格というのは、かなり戦略的な値付けだなぁと*1。
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あとは実写性能が気になるなぁと思っていた*2のだけど、
CP+2018でのSIGMA社の山木社長のプレゼンを聞いて、
『あ、これ、現代的な性能(最高性能)のマクロレンズや。』
と感じた。
現代的な高価格帯レンズが備える『軸上色収差の少なさ』をキッチリ抑えてきている点がそう思った理由。
これはEマウント マクロレンズの決定版になっても不思議じゃないなと。
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ここまで安くできた秘訣
プレゼン内容などからざっと推測すると
- インナーフォーカスを諦めた
- インナーフォーカスを採用する場合に比べ、光学系が複雑化(レンズ枚数の増加やサイズの大型化)することを抑制
- 自社で、大口径非球面レンズの低コスト化に実現している
- 自社で、FLDレンズの量産化に成功している
- 他社が同性能の硝材(ガラス)、非球面形状のレンズを用いる場合に比べ安価にできる(と思われる)
- 参考記事:特殊低分散ガラスの量産化技術確立 | GROUNDBREAKING | SEIN | SIGMA
- 共通仕様で出せるマウントのみに展開する方針
- 制御周りが特殊なニコンマウントを対象外に
- 規模の経済効果を最大限いかせる設計
- なにより会社の方針として、いかに安く提供するかを追求している
- ユーザーの利益を最大化するためなら、自社の利幅を削ることにも比較的ためらいがない雰囲気
あたりかなと。
会社全体で徹底した姿勢がパネぇ。
余談
プレゼンの中で山木社長が、光学設計者が思ってるであろうこと、を代弁しているかのような部分があって
スペック(仕様表)に出てこない部分でも、レンズ鏡筒内のレンズ群をいかに固定するか、とか、電子部品の配置とレンズの配置とのせめぎあいとか、たくさんのことを試行錯誤して、
予算や物理的制限などをはじめ種々の理由で、盛り込みたかったことを削ったり、デグレードしたり、と苦渋の決断を重ねることで、
最終的な製品(レンズ)が出来上がっている
みたいな話。(うろ覚え)
実に尊いと思った。
こういう人のもとで働いてみたいものだなぁ。
シグマ SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art※キヤノンマウント※DGレンズ(フルサイズ対応) 70MMF2.8DGMACRO A EO
- 出版社/メーカー: シグマ
- メディア: エレクトロニクス
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