先日、だるま珈琲のマスターに誘って頂いて、丸一日走り続けて自宅から天橋立までを往復してきました。
記憶が薄れる前にその走行記録を残しておきます。
目次
走行記録
深夜3時。
家の近くでマスターと合流して出発。
まずは国道2号線に沿って姫路へ。
朝4時。
姫路城が見える撮影スポット(本来はしゃちほこの間に姫路城が見える)にて、これからはじまるロングライドを祝して記念写真。
肉眼では辛うじてうっすら見えたのですが、この時間は姫路城がライトアップしておらず、写真に収められませんでした。
ひどい霧の中、国道312号線を北上。
朝6時頃。
日が昇ってきたタイミングで生野峠(兵庫県の真ん中あたり)を越えました。
この峠を越えると、豊岡市までは下り基調に。
ここからペースを上げて、
朝9時頃。
豊岡市に到着。ここから東に、山の中を横断すれば目的地の天橋立!
豊岡~宮津(天橋立)間は、ひたすら『ザ田舎』といった風景の中を走る感じでした。
下調べしたときは
『途中、峠が一つあるもののフラットなルート』
という印象だったのですが、小さめの峠をいくつか越える、そこそこアップダウンのあるコースでした。
走れども走れども山だらけだったのですが、
『天橋立まであと数km!』という段になって、ようやく視界に海が飛び込んできました。
昼11時半頃。
ちょうど昼時に、天橋立に到着。
まずは、天橋立の手前にある知恵寺にお参り。
その後、今回の旅の目的地である天橋立を上から眺められる天橋立ビューランドへ。
天橋立ビューランドへはリフトで上るのですが、地上にロードバイクを安心して停めれるような駐輪場が無かったため、
自分は以前に車で来たことがあったので、自分がロードバイクの見張り(という名目の休憩)を。
マスターにリフトで上って頂くことに。
写真提供:だるま珈琲のマスター
お腹がへったので、天橋立付近でお昼を食べたり
天橋立の名物らしい智恵の餅を食べて一服。
お店のお姉さんに西播磨から自走してきた(&今から帰る)ことを告げると、めっちゃビックリされました。
昼1時。
体力を回復して、復路スタート。
豊岡市までのアップダウンは、西向きの方が勾配がきつかったです。
夕方4時頃。
豊岡市に戻り、残り100kmを切りました。
マスターと
『ホームに戻ってきた感がある』
『(ゴールまで)もうあと少し』
みたいな会話をした記憶があるのですが、距離感がだいぶおかしくなっていたと思います。
脚はだんだんと回らなくなってきていたものの、膝に問題がなかったこともあり、
マスターと相談の上、復路は、時間短縮のため富士野峠(フドノトウゲ)を越えることにしました。
夕方6時頃。
明るいうちに越える予定が、日が落ちる直前に富士野峠の麓へ。
この峠がこのライドにおける、まさにラスボスで、一番精神的にしんどかったです。
斜度自体は平均5%程度のゆるゆるなのだけど、6km?程度の距離があり、森の中を九十九折が延々と繰り返されるというコースで
ここにくるまでにかなり脚を使い果たしていたので、いつまで経っても、真っ暗闇の中を登り続けている感覚になり
黙々とペダルを回しながらも、内心では悪態をつきまくっていました。
『くそッ。こんな山奥に入ってもたら、やめたくても輪行で帰れないやないか…』
『重い。ギアが重い。もうやだ。鉄下駄なんか回してられるか!』
『しんどいもうやめたい。暖かい我が家で家族団らんの時間を過ごしたい…。暖かいお風呂に入りたい…。なんで真っ暗闇の中、汗でびしょ濡れになりながら山奥を走ってるんだ俺…』
途中、軽トラが追い抜いていったのだけど、その前を行く軽トラがけっこうな角度で登っていくのを見たときは、心が折れそうになりました。
幸い、その坂を越えたところで峠は終わったのですが。
かなり苦しかったものの、その分得られたものはあり、重いギアを踏めなくなっても、インナーローでくるくる回し続けていれば坂を登り続けられることが分かったのは良かったです。
富士野峠を越えてからは自宅までほぼほぼ下りだったので、30km/hオーバーのペースでサクサクと気持ち良く帰れました。
夜中10時半頃。
無事帰宅。
ロードバイクに乗り始めてもうすぐ1年。
良いタイミングで記念になるライドができました。
今回のライドを企画&ツキイチで引いてくれた、だるま珈琲のマスターには感謝しかないです。
300kmオーバー走行後の体調
今回のライド、体が所々痛んだものの、次の日に出社できるくらいにはダメージが少なくすみました。
膝
学生時代に、六甲全山縦走を一日で強行したことを境に、負荷をかけすぎると膝が痛むという持病があるので、いちばんの懸念点だったのですが、
マスターのアドバイスとサポート(300kmをツキイチで引いて頂いた)のお陰で、ノートラブルでした。
上りはもとより、平地でも下りでも、足に負担がかからないくらいの軽いギアを回し続けた結果、まったくダメージを受けませんでした。
尻
一方、尻はめっちゃ痛くなりました。あまりに痛かったので後半は頻繁にダンシングしていました。
今までの150km以下のライドでは、尻が痛くなることは無かったのですが、今回200kmを越えたあたりから徐々に痛くなってきました。
※ おそらく体幹が十分にできていないため、終盤サドルに体重をかけすぎたのだと思います。
手
尻が痛むことが引き金となったのか、ドロップハンドルを握っていた両手のひらも終盤、痛くなりました。
※ 痛くなった尻をカバーするために、ハンドルに体重を預け過ぎたせいだと思います。
股間
今回の一番の被害者。
帰ってくるまで自覚がなかったのですが、尿道がサドルで圧迫され続けたせいか、帰宅後、急所にシャワーががかかるだけで痛かったです。ダメージで機能不全に陥ったのかと思ってちょっと焦りました。
幸い、次の日には回復しました。
調べてみると、プロ含めロードバイク乗りは、問題を抱えやすいらしいです。
無理をしすぎないように、気をつけねばですね。
装備に関する雑感
サイクルライトに関して
今回のライドにあたって、懇意にして頂いている大阪の自転車屋 サイクルパートナー 俺StyleさんからVOLT1600をお借りしました。
朝晩ともに、外灯のない山奥を走っているときでさえ、低輝度モード(といっても400lmある)で十分でした。
低輝度モードではスペックシートで点灯可能時間が15時間とべらぼうに長く、今回バッテリー残量に気を使うこと無く使い続けることができました。
同じ400lmでも、ふだん使っているVOLT400の高輝度モード(400lm)よりも広範囲を照らせてとても走りやすかったです。
外灯が一切ない場所で、『少し遠くまで周辺の状況を確認したい』というときだけ高輝度モード(1600lm, 800lm)に切り替える運用で行けました。
※ 余談ですが、CATEYEのVOLTシリーズは、ボタンをダブルクリックで即座に高輝度モード(フルパワー)に切り替わります。
冗談抜きに1600lmは明るすぎです。目の前が昼になる感じ。
予備に持っていったVOLT400は出番がありませんでした。
補給食に関して
念のため、ドイターのバックいっぱいに補給食を買い込んでいきました。
が、コンビニがそこかしこにあるので、適宜、現地調達で良いかなと思いました。
背負うアイテムを軽くして、楽に走れるようにした方がメリットが大きいと思われました。(もちろんルートによりますが…)
それよりも、今回、補給タイミングをマスターと合わせていたら、エネルギー切れっぽい症状(ペダルをさっぱり回せなくなる;ハンガーノックの手前?)がたびたび出てしまいました。
どうも自分の場合、カロリー消費が多い(基礎代謝が高い?)っぽいので、早め早めに補給せねばという感じでした。
サイクルウェアに関して
- (夏用)ビブパンツ、半袖サイクルジャージ
- (夏用)長袖インナー、レッグカバー
- ウインドブレーカー
- (秋用)グローブ
夏日だったので、ウェアの選択はこれで問題ありませんでした。
また、ウインドブレーカーは夜になってから役に立ちました。外気で体が冷えるのを抑えられました。ただ、風を遮ってしまうために、サイクルジャージが吸った汗が蒸発し難くなって、やや気持ち悪かったです。
グローブは、終盤汗を吸って重くなってきたので、指切りの方が良かったかもと思いました。
早朝(というか深夜)・夕方以降と昼間との温度差がけっこうあったので、ウェアの選択が難しい季節だなと思いました。
もうちょい暑ければ、夏装備で。もう少し寒くなれば、冬装備で行けそうなのですが。
今回のように寒暖差がある季節だと、ナイトライドする場合、装備が嵩みそうです。
バックパックに関して
バックパックが必要なほど荷物を用意するのは再考の余地ありかなと思いました。
距離が伸びるほどに、背中に負荷を背負っていることを意識せざるを得なくなる感じでした。
どうしても必要ならサドルバッグがいいなと思いました。
ホイールに関して
マスターがキシリウムのカーボン(軽量ホイール)で、自分は鉄下駄だったのですが
後半、脚が切れてきてから登りでかなり差がついてしまいました。
自分が『もうシッティングでインナーローを回すしかできない』状態でも、マスターは2,3段重めのギアを軽々回されていて、登りでは頻繁に千切れてしまいました。
マスターの脚力&スタミナが自分よりある、ということもありますが、
ふだんの朝練(アップダウンありの30kmくらい)だと、そこまで強烈に差が付いたことはないので、ホイールの差かなと思いました。
ロードバイクを乗り初めて、はじめて
鉄下駄ってほんとに重いんだな
と思いました。
頭では分かっていたのですが、ホイールのリム重量マジ大事ですね。
サドルに関して
ロングライド用のサドルが欲しくなりました。
が、体幹を鍛えることで解決しそうな気もします(し、体幹が弱いと、評判の良いサドルに変えたところで根本的な解決にはならない気がします)。
とはいえ、やっぱり少しでもロングライドを楽なものにしたいのは確かで、
とりあえず、現状、折りたたみ自転車に取り付けているBROOKSの革サドルにすれば良かったと思わないでもないです。
輪行袋に関して
フレームにくくりつけて走ったのですが、完全にただの荷物でした。次からは持っていかない。
どうしても持っていくなら、せめてコンパクトサイズ(ボトルゲージに入るもの)が良いなぁと。
最悪、動けなくなっても『タクシーを呼ぶ・乗り捨てOKなレンタカーを借りる』という方法がある、ということを走り終えてからマスターに教えて頂きました。
結論、財布があればなんとかなる。
そのほか
サイコン(Lezyne SUPER GPS)のバッテリー持ちが最高でした。
満充電から使い始め、今回のライド(19h)を終えても、40%ほど残っていました。ナビ機能も知らないところを走るにあたって、とても役に立ちました。
今後の課題や目標
軽いギアを回し続けたこともあり、今回はアベレージが24km/hと遅かった。このペースだと400km走るには日を跨いでしまう(1日では無理)。
体幹の強化で、体へのダメージを減らすとともに脚力をアップさせて、1日で400kmを走れるだけの体力をつけたい。 目標としては、ロングライドでのアベレージを28km/hくらいまで引き上げたい。
ロングライドの実現に必要な要素は、レースのような高強度の短距離走とは違っているところがあり、
いかに無駄な体力消費を抑え続ける(踏み込みたくなる衝動を抑え続ける)精神力が要求される感じだった。
これはこれで『自分の限界に挑戦する』って意味で面白いと思った。
一方、200kmを越えるロングライドは基本的にやらなくていいかなぁとも。どうしても、ただ走り続けているだけ、みたいな区間が出てきて面白みに欠けるし。
ふだんは、輪行や車載で、走りたい峠・景色のある場所にピンポイントで移動して
100km程度のコースを、カメラを背負いながら走る(まったりと風景やグルメを楽しむ)方が、性に合ってるなと気づけたのも今回のライドの収穫である。
とはいえ、年に一回くらいは限界に調整するようなロングライドをしていきたいなぁ。