モバイルプロジェクター ASUS ZenBeam E1を購入してから約半年、寝室で就寝前に家族そろって映画をみる習慣ができるまでになった。
プロジェクターの導入を考えている人向けにプチレビューを書いてみる。
目次
購入動機
『ベッドで布団にくるまったまま映画がみたい。』
SONYの超短焦点プロジェクター LSPX-P1 (プロジェクター本体を投射面となる壁のすぐ際に置いた状態で投射できるタイプ)が発表されたときに、『なにこれ、ちょっと欲しい!』となったのだけど、
ソニー SONY プロジェクター ポータブル/超短焦点/バッテリー・スピーカー内蔵 LSPX-P1
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- 発売日: 2016/02/13
- メディア: Personal Computers
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このプロジェクターは最大輝度が100lm(ルーメン)と、1000lm以上が一般的なホームシアター用のプロジェクターに比べて1桁低いのが気にかかり、二の足を踏んでいた。
ソニーのショールーム(めっちゃ明るい場所)で見た感じ、20インチ程度の投射でも見え方がちょっと物足りない感じ。もっとも自宅の寝室で使えるなら問題ないのだけど…
今までにプロジェクターを自宅で使ったことがなく、100lmというスペックの良し悪しがさっぱりわからなかったので、自分の中での指標を設けるため、何かプロジェクターを試しに購入しようと思い立って、各種製品を調べてみた。
当初、お試しで1万円以下の安価なプロジェクターを考えていたのだけど、レビュー記事を見る限りすぐに物足りなくなりそうだったので、将来ホームシアター用のプロジェクターにアップグレードしても、無駄にならないものを、と考えて、
自宅で必要なくなったときには仕事に転用できそうなモバイルプロジェクターを購入してみた。
ASUS ZenBeam E1のレビュー
スペック概略
ASUS ZenBeam E1は、2017年2月に発売され、発売直後から高評価だったモバイルプロジェクター。
iPhone5と比較。上辺が凹んでるのは落としてぶつけたため
主なスペックは、
- 最大輝度 150ルーメン (通常利用時 100ルーメン)
- 投射可能範囲 0.5~3.7m (投射サイズ ~120インチ)
- HDMI端子(MHL対応) + USB端子(給電可能)
- ポケットに入る超小型サイズ!
といったところ。
このサイズで、自動台形補正(斜めから投射しても映像が正しく長方形に見える機能) があるので、ラフに設置ができ、手軽に使えて良い感じ。
輝度に関して
MAXで150lmとスペック値は低いので、実用性が疑問だったのだけど、1級遮光カーテンを閉じた寝室(ほぼ暗室状態)で使うには十分過ぎる明るさ。というより眩しい。通常利用時の100lmで十分。
スペック上の限界に近い100インチ程度まで拡大しても、何の問題もなく視聴可能。
なお、昼間、寝室内に外光が差し込む状態では、40-50インチでの投射ではMAXでもやや見づらい。投射面に直接光があたると100%アウト。
ちょっとした画面を表示する程度(10~20インチくらい)であれば、明るくても使える。自宅内ではタブレットもノートPCもあるので小さく投射する意味はないのだけど、テーブル上でちょっとしたプレゼンを行うなどのビジネス用途では使えるように思う。
コントラストに関して
基本的に問題を感じるようなことはない。
のだけど、通常の輝度での利用時、作品・場面によってはコントラストがもうちょい欲しいと感じることはある。
なお、輝度MAXにすると通常利用時より画面が全体的に白っぽくなりコントラストが低下する。(ということに気づいて以来、輝度MAXの設定は我が家では使ってない)
解像度に関して
フルHDはおろか、HDにも届かない WVGA(854x480)という解像度。(入力はフルHDまで可能)
スペック上の低さに反して、家族でワイワイ見る分には気にならない。
1人でじっくり見てるときは、もうちょい高精細でみたいなぁと思うことが少なくない。
設置のしやすさに関して
底部に、三脚のネジ穴があるので、写真用の三脚やテーブルフォト用の小型三脚に取り付けて使っている。
(SB) SLIK スリック 三脚 MINI PRO DQ【輸出専用棚ズレ品】
- 出版社/メーカー: SLIK(スリック)
- メディア: エレクトロニクス
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手軽に、好きなところに配置できて便利。壁だけでなく、天井に向けて投射するのも容易。
軽いので、省スペースで済む一脚を使うとより便利だと思う。
USB端子が本体にあるので、本体のHDMI端子とUSB端子を使ってChromecastを取り付け、PCやスマホから動画を無線でcastして利用している。(FireTVなどHDMI接続の無線アダプタとの組み合わせが相性いい)
Fire TV (New モデル) 4K・HDR 対応、音声認識リモコン付属
- 出版社/メーカー: Amazon
- 発売日: 2017/10/25
- メディア: エレクトロニクス
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電源以外の余計な配線なしで(バッテリ内蔵なので、なんなら電源ケーブルすらもなしのノーケーブルで)使えるため、さっと取り出して映画を見れる。
内蔵スピーカーについて
音楽鑑賞に耐えるほどに音質が良いわけではないのだけど、ASUSのオーディオ最適化技術(ASUS SonicMaster)のおかげか、クリアな感じの音が出る。
出力は2Wとスペック的には物足りなさがあるのだけど、不思議なことに家族で映画を見ていて音質・音量面で困ったことは少ない。というかほぼない。
(全編俳優が小声で喋るタイプの映画で『セリフが聞き取りづらい』ということはあったものの、基本的にはBGMを楽しみながらセリフもしっかり聞き取れる)
使ってみて気づいた注意点
- HDMI端子はHDCPには対応していない。このため、nasneなどのレコーダと接続してTV・TV録画を視聴はできない。Blu-rayも見れない。
- オーディオ環境を改善したい場合に使えるのは、アナログ出力(ラインアウト)端子のみ。
- お手軽さを維持するためには、Bluetoothトランスミッターを接続するのが妥当?
- 冷却ファンの音は映画鑑賞を遮るほど煩くはないものの、静かでもない。
総括:寝室で映画をみるということ
このプロジェクターのおかげで、家族団欒の時間が増えたのが◎。
取り回しが良いので、寝る前にささっとセッティングできて、布団に入ったまま映画を見れるという、実に素晴らしい体験を得られた。
超コンパクトな筐体にも関わらず、映像面・音質面とも必要十分な性能はキッチリ備えているという感じ。
Zenbeam E1で十分に楽しめることを思うと、『寝室で映画を見る』という用途であれば、SONYの LSPX-P1は E1の足りない点をきっちり抑えており実用性十分なのではいう感じがする。
というか、100lmで足りるのだから、1万円以下の格安プロジェクタでも十分楽しめる可能性はあるのか…。
モバイルプロジェクターの現在
E1を買った時点ではライバル機が不在だったように思ったのだけど、今調べたら、LGの PH550Gという強力なライバルが出現していた。
プロジェクターに関する基礎知識を得るには
- Z-side #002: 西川善司のホームシアタープロジェクター入門 – backspace.fm
- backspace.fmというポッドキャストの過去回。
- けっこう長いのだけど、プロのライター(西川善司氏)による めちゃくちゃ詳しいホームプロジェクターに関する講義が拝聴できる。
- 入門~応用まで懇切丁寧に詳しく解説されているので、プロジェクターに興味がアル方は必聴。