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コーヒー豆知識まとめ

昔書いたまま放置していた下書きが見つかったので、2025年でも通用するようにリライトしてみた。

これからスペシャルティコーヒーの世界に足を踏み入れる人向けの簡易マップ、という想定です。

コーヒー豆

コーヒー「豆」とは何か

「コーヒーノキ」属の植物の木になる実(み)の『種(たね)』。

実(み)のことは「コーヒーチェリー」と呼ばれている。

通常、1粒のコーヒーチェリーには、種が2つ入っている。

まれに、実の中に豆が1つだけ丸く育つことがあり、そのような豆は、ピーベリーと言われている。豆全体の3~5%しか現れないらしい。狙って作ることが難しいため希少で、味にも特徴がある。

コーヒー豆の産地

主な産地は、熱帯・亜熱帯地域。赤道の±25度の範囲が該当。この地域が「コーヒーベルト」と呼ばれている。

コーヒー豆の収穫は年に1~2回。通常は1回だが、雨季が2回ある地域(たとえば、ケニア)だと2回収穫可能。

収穫期が場所によって少しづつ異なるため、1年中どこかの国では収穫されている。収穫期は、南回帰線に近い地域では、4~9月。北回帰線に近い地域では、9~4月。

コーヒーベルトの中でも、『標高1000mを越えるような高地』、『水はけがよく』、『雨季がある』といった条件を満たす場所では、良質なコーヒー豆が育ちやすい。

  • 標高:昼夜の寒暖差が大きいほど、高品質な豆になる。キリマンジャロなど、標高が高いものほど良いと言われているのはこのため。
  • 気温:平均22度前後が適している。適温を上回ると、早熟になりさび病にかかりやすくなり、下回ると、十分に生育せず収穫量が下がる。
  • 土壌:窒素やリンなど栄養分が多い肥沃な土壌で、水はけがよく、pH4~6程度の弱酸性の土が最適。このため、火山灰が積もった土壌が良いとされる。
  • 日照:直射日光に弱いため、ゆるやかな山の斜面に植えられることが多い。シェードツリー(日よけのための木)と合わせて植えられることもある。

コーヒー業界のトレンドと扱われるコーヒー豆の種類の変遷

  1. ファーストウェーブ(第1の波)
    • 時期:19世紀後半 ~ 1960年代
    • 概要: コーヒーが「嗜好品」から、一般家庭や職場で手軽に飲める「日常品」へと変わった時期
    • 背景: 流通網の発達や真空パック技術の向上により、安価なコーヒーが大量生産・大量消費されるように。
    • 代表的な存在: フォルジャーズ(Folgers)、マックスウェルハウス(Maxwell House)などのインスタントコーヒーや缶入りコーヒー。
  2. セカンドウェーブ(第2の波)
    • 時期: 1960年代後半 ~ 1990年代(日本での本格流行は90年代後半〜)
    • 概要: 「質より量」だったファーストウェーブへの反発から生まれたムーブメント。深煎りの豆を使い、エスプレッソマシンで抽出するスタイルが確立されました。
    • 背景: スターバックス(1971年創業)などのシアトル系コーヒーチェーンが世界的に展開し、カフェラテやキャラメルマキアートなどの「アレンジコーヒー」を楽しむスタイルが定着。また、コーヒーを飲む「空間(サードプレイス)」も重視されるように。
    • 日本での象徴: 1996年のスターバックス日本上陸。
  3. サードウェーブ(第3の波)
    • 時期: 2000年代 ~ 現在(日本での本格流行は2015年頃〜)
    • 概要: セカンドウェーブの画一的な味への反発と、スペシャルティコーヒーへの注目から生まれたムーブメント。「コーヒーはフルーツである」という認識のもと、豆本来の個性を引き出す浅煎りが主流に。コーヒーに関してもワインで言う「テロワール」の考え方が浸透。
    • 背景: ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れるスタイルへの回帰。トレーサビリティ(生産履歴)やダイレクトトレード(農園との直接取引)を重視。
    • 日本での象徴: 2015年のブルーボトルコーヒー日本上陸。

コーヒーの風味は何で決まるか

  • 豆の品質・風味 (重要)
  • 焙煎の仕方 (同じくらい重要)
  • 淹れ方 (次に重要)

「豆」の品質・風味を左右するもの

製法

  • ウォッシュド(フリーウォッシュド)
  • セミウォッシュド
  • パルプドナチュラル(ハニープロセス)
  • ナチュラル(ワイニー)
  • スマトラ式

コーヒー豆の品種

3大原種
  • アラビカ種
    • 世界で流通するコーヒー豆の7割
    • 生産量の6割
    • ストレートコーヒーの大半
  • カネフォラ(ロブスタ)種
    • 約2割
    • インスタントコーヒーやブレンドに利用される
    • 病気に強く、身が多くつく
  • リベリカ種
    • 低地や平地で栽培可能、少ない雨や平地栽培が可能
    • 主に、ヨーロッパで消費されている

これら原種を掛け合わせて新しい品種が生まれている。原種そのものはまれ。

「コーヒー」の風味を左右するもの

ドリップの仕方

コーヒー豆から成分をいかに抽出するか(成分の抽出率)が重要

抽出率 ∝ 抽出速度 ✕ 抽出時間

風味に関連するパラメータ
  • 「湯の温度」
    • 温度によって粉から溶け出る成分が変わってくる
    • 温度が高いと、水分子がエネルギーを多く持つので、珈琲の粉(分子)とショッ属する機会が増える。
    • 水出しのように時間をかければ、低温でも複雑な(ときに高温では抽出できない)風味を抽出可能
  • 「抽出時間」
    • 時間とともに、粉から溶け出る成分が変わってくる
  • 「挽き具合」
    • 珈琲の粉と湯との接触面積が変わるので、抽出される成分にも変化が出る
    • また、湯のとおり具合に影響を与えるため、抽出速度(=抽出時間)に影響が出る
  • 「抽出速度」
    • トータルの抽出時間(成分の抽出量)が決まってくる。
    • 速度によって、粉と湯の接触時間が変わるので、粉から溶け出る成分が多少は変わってくるはず(※推測)
  • 「お湯の滴下量」
    • 湯と抽出した珈琲の成分の割合が最終的なコーヒーを作る。湯が多すぎると薄まる。

最終的には、珈琲の成分と湯の比率の問題なので、抽出時間の関係で珈琲の抽出量が少なければ、あとから湯を足す、という選択肢もある。

たとえば、珈琲の成分の抽出量を適切に保つために、抽出時間内に滴下できる湯の量が1カップに満たなくなってしまうようなケース。

「湯の温度」と風味の関係

90℃以上の高温では苦味が強く、75℃以下の低温では酸味が強くなる傾向

  • 香り成分は、高い温度のほうが抽出されやすい
  • 酸味は抽出されやすく、温度・時間・挽き方の影響を受けにくい。
  • 苦味は抽出されやすかったりされにくかったりと豆により様々。なかでも抽出されにくい成分はお湯の温度の影響を受けやすい。
    • → 温度を下げると苦味成分の一部が抽出されなくなる
  • 甘みは抽出されやすい。
    • → 温度が高いほうがよく溶ける。が、高いと他の成分もよく溶ける。温度を下げることで相対的に感じやすくなる
「抽出時間」と風味の関係
  • おおむね2分前後。浅煎りは短めが良いかも。
  • 長く時間をかけると、雑味(エグみや渋味)が出てくる
    • → とりあえず過抽出にならなければOK
  • 時間が伸びるにつれて、ドリッパー内のお湯の温度は下がっていくことに注意。
    • ※ ドリップポット内の温度と、ドリッパー内の温度は一致しない
「挽き方(粗さ)」と風味の関係
  • 粗いと、湯と反応する表面積が小さくなり、成分の抽出量は減り、抽出時間は短く
  • 細かいと、湯と反応する表面積が大きくなり、成分の抽出量が増え、抽出時間は長くなる。長くなりすぎると、渋味や苦味が出ることに注意。

コーヒーを科学的に楽しむために最低限揃えたい機材

  • 温度調節機能付きケトル
    • 最低1℃単位で温度調節可能なもの
  • ドリップスケール
    • 湯量とドリップ時間を同時に計測可能なもの
  • ミル
    • 挽き具合を定量的に変更できるもの

日本でのスペシャルティーコーヒーの立役者

  • 堀口俊英
  • 田口 護 (カフェバッハ)

参考資料

余談

スペシャルティコーヒー、世界中で本格的に流行りだしているのか、自分がコーヒーに凝りだした5年前と比べて豆の相場が随分高くなってますね…。5年前がバーゲンセールだったというべきか。

値段のことはともかく、いろんなスペシャルティコーヒーを手軽に各地で味わえるようになったのは嬉しい限り。