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「いいひと。」全巻+「さよなら、パパ。」

親友からオススメ頂いたのでガサッと大人買い。1冊1冊、しっかり中身があるので読むのに時間がかかっていたのだけど、思いがけずまとめて読む時間ができ、ついに読了。

めっさ良かったと言えよう。

長い旅路(本編の積み重ね)の果ての本編ラストと、本編ラストからつながる番外編の「さよなら、パパ。」は感極まるものがあり泣けた。

・・・

基本的には、作者の狙い通り極めて緻密に精確に作り込まれた(主人公ユージを媒介として、社内のあちこちでそれぞれ異なる活躍をする多種多様な人たちが主人公として描かれてる)作品で、巷の高評価がすべてを物語っている、という感じで、あえてそこに加えるような有意義な感想もないのだけど、

この話を令和っぽく(謎)まとめるなら、

『大手メーカーの創業者が、自社の新入社員に生まれ変わって活躍する転生もの』

いやだって、この作品、主人公のメンタルがどう見ても創業者のそれなんやもん…。ラストの選択も、「もうやり切ったなぁ。あとは成長した後続に任せよう。」っていう創業者のそれやん…。

なんか、そう思って読むと、「現実にはこんな新入社員いないけど…」というより、「あぁ、創業者ならこの場面でこう考える/こう行動するよなぁ…」っていう目で見ることが出来て、リアルさがさらに増すように感じた。

老若男女いろんなサラリーマンがいて、やることなすこと思うこと、そのどれもが違っているのだけど、その誰もが輝いている、ってことを見せてくれるような、とても良い作品でした。

番外編も、エンドロール後の余韻を楽しめる感じでとても趣深かった。泣けた。