面白かった。のだけど、 個人的には、感動するポイントがなかった。以下ネタバレありの感想。
『世界を選ぶか、彼女を選ぶか』の選択がキーになる作品、みたいな切り口を見た記憶があって、どんな葛藤が繰り広げられるのか楽しみにしてたのだけど、ストーリー上、主人公が『世界を救う』という選択肢を選ぶ理由がないように思えた。
最終的に『彼女を選ぶ』という物語として当然の帰結に至った印象。もうちょい葛藤するような要因があれば、深みが出たのではなかろうか思わないでもないけど、いや、でもそれなら主人公が平凡な高校生という設定から見直しが必要になるし…、うーん、まぁ、これはこれで完成していると見るべきか。
ざっくりいうと、典型的なBoy Meets Girl ものに見えてしまったのだよなぁ…。
「君の名は」を『多くの人が楽しめるように、新海誠作品の難解な部分・オタクにしか受けそうにない部分がいい感じに角が取れた作品』とみると、
「天気の子」は、『多くの人が楽しめるエッセンスを詰め込みすぎて、凡庸さが見え隠れする作品』という印象。いや、そうは言っても、全体的にハイレベルなアニメ映画であることに違いなく、自分で書いていてちょっと批判し過ぎな気がするのだけど。
キャラクターはみんないい感じに立っていてめっちゃ良いなぁと思えたし、『祈ると晴れる力を持つ』という設定も奇抜でうまく物語に絡められていたように感じるし、全体的に良く出来ているんだけどなぁ…、なぜ、こんなにも手放しで面白かったと思えないかと考えると、予想外の展開がない(=展開の予想がつく)のがいまいちだったかなぁと思わないでもない。
・・・
妻は、主人公の陽菜の性格や特性が長女にそっくりだったので、感情移入して見ることができ楽しかった模様。