ふつうに淹れても十分に美味しかった*1のだけど、G3グレード*2だけあって欠点豆の比率が高いのが気になったので、欠点豆をハンドピックして、選別した豆だけで淹れてみた。
ついでに、欠点豆だけで淹れてみて、欠点豆が本当にいけてない豆なのかを確認してみた。
選別:ハンドピック
一粒一粒確認して
- 欠け豆
- 奇形
- エレファントビーン
- 黒豆
- 未熟豆
の疑いがあるものを片っ端からハンドピックした。あと『妙に小さいもの』も、「黒豆」「未熟豆」っぽい感じだったので除外。加えて、『形状に問題はないものの、煎りムラがあるもの』も除外した。
結果的に残ったのは半分もないくらい。6, 7割くらいが欠点豆という印象。(ちょっと欠点豆扱いの基準が厳しすぎたかと思わないでもない。)
所感
厳密にピックアップした甲斐あってか、残った豆は煎りムラがかなり少なくなった。かなり上手く焙煎されているなぁと感心するなど。
・・・
だるま珈琲のマスターが以前『煎りムラは、主に、豆の水分含有量が原因でできるっぽい』、『浅煎りは煎り具合のコントロールが難しい(煎りムラができやすい)』と言っていたことから考えるに、
おそらく、『この豆を浅煎りにする際の困難さは、欠点豆の多さからくる』もので、また、『欠点豆はその形状のいびつさ故に、水分の含有量・含有具合が偏っている』のではないだろうかと思った。
検証
検証1:欠点豆の風味確認
欠点豆としてハンドピックしたもののうち、『どこからどう見ても欠点豆』というレベルの豆だけ集めて淹れてみた。
・・・
同じ銘柄の珈琲豆と思えないぐらい、どうしようもない味だった。
- 正常な豆の持つ風味がめちゃくちゃ薄い(ほぼゼロ)
- 雑味が多すぎ
- 苦味もコクも0(ゼロ)
- 嫌な酸味が若干ある
冷めたらさらに不味くなった…。
廃棄。珈琲を捨てるなんて、珈琲淹れるようになってから、はじめてかもしらん…。
検証2:欠点豆の特性確認
欠点豆を割りまくってみた。
1粒1粒ハンドピック&観察していて気づいたこととしては、
- エレファントビーンは、割ってみるとスカスカ感がある
- 異形の欠点豆は、煎りムラやシワが残ってるものが多い
- 異形の欠点豆は、内部に煎りムラがあることが多い
- 欠点豆ほど、シルバースキン(チャフ)が付いてる率高い
エレファントビーンは、豆に含まれているガス成分が膨張しすぎてこうなった(膨張→そして豆から抜ける→スカスカ→風味減少、という印象。そんな現象が起きる原因としては、やはり水分含有量が問題な気がする)のかなぁみたいな感がある。
異形の豆は、外側はムラがなくても、内部は正常に焙煎できてないと考えるのが妥当かなぁ。外形がいびつなのに、内部に熱が均一に広がるとは思えないので、内部には煎りムラができるのではないだろうか。
検証3:欠点豆「っぽい」豆の風味
水分含有量の過多や、水分の含有のされ方(形状のいびつさ)が原因で、焼きムラができると仮定するなら、
『形状がいびつでも、焼きムラが少ないものは、イケるのでは』
という仮説(雑)をもとに、
エレファントビーンと、妙に小さいもの、欠けている豆、以外の欠点豆(=形状がいびつだけど、焼きムラがないもの)だけを集めて淹れてみたら、 思ったより飲めた。
とはいえ、正常な豆に比べると、風味が落ちる印象。
所感
やはりというか、先達の知識(欠点豆の定義)を素直に受け取って問題ない、という知見が得られた。
巷で言われている欠点豆はたしかに欠点豆だった。
検証4:欠点豆を除いたゲイシャ ゲレザG3
柑橘系ともベリー系ともとれるフルーティなフレーバーが力強く感じられ、また心なしかクリアさが増した印象。
価格を遥かに上回る風味*3で、文句なしに美味しかった。
所感
けっこうな割合で欠点豆を含んでいるのに、正常豆と欠点豆が混在した状態(購入時の状態)でも、
ベリー系のフレーバーとチョコレートのような甘さが同居する「エチオピア ゲレザ農園のゲイシャG3」はかなりポテンシャルが高い豆な気がした。
・・・
…とはいえ、欠点豆を取り除く作業は時間がかかりすぎる*4ので、やはり低等級の豆は買うべきではないという結論。