Apple AirPods Proの発表に胸踊らせ、発売日にヨドバシ店頭で持ち帰ろうとしたら、「予約受付&自宅配送のみ可」と店頭で告げられる、という悲しみを乗り越えて(結局、2日後に届いた…)、利用し始めてから2週間、自分の中での評価が定まってきたので感想をまとめてみる。
ヨドバシ店頭で持ち帰れないという謎
そういえば、iPhone X (SIMフリー版)をヨドバシ店頭で買おうとしたときも、店頭では買えず、心斎橋のAppleStoreまで行く羽目になったことを思い出した。
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新製品を発売日に買って帰りたければ、AppleStoreが良いらしい(発売日、公式ストアの通販だと「2~3週間待ち」の表示だったけれど、ストアの店頭なら買えた場合もあったとか)。
今回の悲しみを繰り返さないためにも覚えておかねばと思ったけれど、
そもそも新製品を当日買って帰るというちょっとした楽しみを捨てれば解決するので、必要のない知識な気がしてきた。
AirPods Pro の感想
ノイズキャンセリング性能
ノイキャン性能は、かなり性能が良い部類だと思う。
言葉で説明しづらいのだけど、ノイズ(騒音)の消し方がとにかく綺麗だと感じる。低音域のノイズは軒並み綺麗に消える。人の声に近い中高域のノイズは僅かに残る、とはいえ、本来のノイズ音に比べればほぼ無音と言って問題なく、音楽をかけると聞こえなくなるレベル。また、電車内のアナウンスなど、人の話し声のような周期的な成分のない音は変に歪んだりせずに、音量を落としてふつうに聞こえる感じ
電車に乗っているときや、都心の喧騒の中で、ノイキャンオフだと音が聞こえないレベルの低音量で、ばっちり音楽が楽しめる。
ノイキャンONでも、アナウンスのようなはっきりした人の声は聞こえる(ちなみに他の乗客の話し声はほとんどシャットアウトされる)ので、電車での移動中のストレスが激減した。
田舎の路上でノイキャンONにすると、軒並み音が消えて宙に放り出された感覚を覚える。遠くで車が走る音(エンジン音、ロードノイズ)、風の音、川のせせらぎ、など音という音が消える感じ。
大阪駅近郊(都心)だと、感覚的には、周囲10m外の音が消えて、周囲10m以内の音はわずかに残る感じ。ノイキャンONでも、周辺の状況を音から把握できるので安心できる。面白い(=実用性の高い)ノイズの消え方をするなという感想。
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ちなみに車に乗ってる時にノイキャンONにすると、エンジン音、ロードノイズが消えて、道路の上をスルスル滑ってる感じになった。
もともとの凹凸での突き上げはある(それだけ感じられる)ので、乗り心地が悪い「魔法の絨毯」に乗っている印象を受けた。
ノイズが聞こえないと道路の上を走ってる感がなくなる、という不思議な感じ。音が路面状態の認知に影響するというのは、脳が食べ物の味を感じる時に、純粋な味覚の他、香りや色(色彩)が影響してくるのと似た感があり興味深いなと思った。
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また、個人的に嬉しかったのは、ノイキャン性能が高いにもかかわらず、ホワイトノイズも少ないこと*1。クラシックなど無音部分が多めでもホワイトノイズが耳につくことがなく、ストレスなく音楽を楽しめる。
外音取り込み機能
ノイキャン性能以上に、感動した。
イヤホンをつけていないときとの違和感がなさすぎて衝撃を受けた。外音取り込み機能の完成度高すぎでは。
外音取り込み機能の高さは、この商品のキラー機能なんじゃなかろうか。
手軽に、ノイキャン<->外音取り込みを切り替えれるので、耳からイヤホンを外す必要性を感じず、付けっぱなしで生活できる。これによって、ライフスタイルが変わった感ある。
音質
感覚的には、1万円代のワイヤードのイヤホン並に良いなという好印象。
ワイヤレスBluetoothのイヤホンとしては、価格相応に良いと思う。音質以外の付加価値がかなり高いことを思うと、この音質は驚異的じゃなかろうか。
なお、低音はイマイチかもしれない。ふつうにJ-POPやクラシック、ゲームのBGMを聞く分には気にならなかったのだけど、チェロのソロ曲を聴くと、しっくりこないというか、音が寸詰まりになってるとでもいうのか、妙な閉塞感を感じる。
(そもそも低音にキレがないのだけど、この価格帯のワイヤレスイヤホンであれば、こんなもの/良い方かなと思う)
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細かな点をつつけばきりはないけれど、ノイキャン機能付きイヤホンの用途を考えれば、必要十分以上の性能かなと。
ノイキャン機能がなければ、ノイズで音楽鑑賞が妨げられるような状況で音楽が楽しめる、という時点でもうこれ以上何を求めようか、という気持ちになれる程度には良いと思う。
サイズ、バッテリーなど
めっちゃ小さい。
バックパック1つで海外旅行する際、ノイズキャンセリングヘッドフォン(ケース付き)が場所をとるのが難点だったのだけど、今後はAirPods Proで事足りそう。
お土産1つ分くらい空間が空くので、超助かる。
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毎日3~4時間使っているのだけど、週1でケースを充電するかしないかといったところ。
ケースに入れると次取り出すときにはイヤホンの充電がされてるのが便利(これに関しては完全ワイヤレスイヤホンはどれもそう)。
iPhone/iPadとの接続性
iPhone/iPadならペアリングが超楽、というのはさておき(楽なのは良いことだけど、正直、利用開始時だけの話なので劇的な便利さがあるわけではないのだけど)
iPhone <-> iPad でシームレスに繋ぎ替えれるのが最高すぎる。
ふつうのbluetoothイヤホンだと、iPhoneでペアリングした状態から、iPadに繋ぎ変えるのがめんどくさすぎて、AirPods以外のイヤホンの購入を躊躇していたので、
期待通り手軽に切り替えられて最高です。感無量。
個人的総評
iOSユーザであれば付加価値だけでもかなりのものなのに、基本機能も高いとか、万能すぎる感。万能の天才、ダ・ヴィンチちゃんかよ。
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bluetoothイヤホンを使っていると感じさせないシームレスな使い勝手が最高。今まで購入してきたbluetoothイヤホン/ヘッドホンはなんだったのか、という気分になるくらい良く出来てる。イヤホンを付けたと思ったら、耳(の機能)が拡張された。って表現したくなるくらい自然な使い心地。
そのほかの雑感諸々
- iPhoneとの組み合わせで遅延が感じられない。快適にFGOができて良いぞ、めっちゃ良いぞ。
- 技術的に謎なのが、bluetoothのAACコーデックってそんな低遅延を実現できたのか?っていう。OSレベルでコントロールソフトウェアが統合されているあたりに何か肝があるのだろうか。
- とはいえ、0ではないようで、レビュー記事など見てると、リズムゲーだとわずかな遅延があるのがわかるらしい。
- ステム部分の角度によってノイキャンの効きが変わることに気づいた。自分の場合、ちょっと斜めにするといい感じ。
- かんがえてみたら、マイクがどれくらい集音できるかが影響するのかなと。
- ステムの凹みを長押しした際、ペコッと物理ボタンを押したような音がするおかげで、スイッチを押した感覚が感じられる(実際には何もない)のは興味深い。
- おかげで誤操作させることもない。よく考えられたUXという印象。
- 一時ノイキャンの切り替えができなくなるという不安定な状態になったのだけど、iPhoneを再起動したら直った。
- iOSだけアップデートしてiPadOSをアップデートしていない状態で、iPhone->iPadに繋ぎ変えたのが原因かもしんない。再現しないのでよくわからない。コントロールソフトウェアがOSに組み込まれているので、今後もOSのバージョンを揃えておく方が安全かも?
レビュー記事
こんな雑記を見るより、ちゃんとしたレビュー記事を読んだほうがいい。
*1:個人的な経験上、ノイキャン性能が高いヘッドフォンはホワイトノイズが多い傾向があるように感じる。