AMDのCPU Ryzenが、第3世代(3000シリーズ)になって1コアあたりの基本的な性能が大幅に改善され、一般的な用途でもintel製のフラグシップCPUに肉薄した性能が出る、とのことなので、色々ベンチマークを調べてみた。
ベンチマーク結果を見ていると、個人的にはデスクトップPCの主用途の1つである『LightroomのJPEG書き出し』にかかる時間が大幅に改善されているっぽいので情報をまとめてみた
まとめ
- Ryzen 第3世代(コードネーム Zen2)は、同価格帯のintel CPU より、かなり速い。
- Ryzen 第1世代(コードネーム Zen)、第2世代(コードネーム Zen+)では、LightroomなどのAdobe製品で性能が振るわなかったけれど、アーキテクチャの刷新により大幅に性能が改善した。
- 補足: AMD Ryzen 第1世代(コードネーム Zen)、第2世代(コードネーム Zen+)は、SIMD演算ユニットが128bit幅しかなく、AVX256命令のスループットが悪い*1ため、LightroomなどAVX256命令を利用するAdobe製品では性能が振るわなかった。
- 参考記事:【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】処理能力が2倍に拡張されたAMD Zen 2のAVXユニット - PC Watch
ベンチマーク結果
twekers.netのベンチマーク結果
CPU | 書き出し速度 | 倍率 |
---|---|---|
Ryzen9 3900X | 32,20 | 0.78 |
Ryzen7 3700X | 41,50 | 1 |
Core i7 9700K | 59,00 | 1.42 |
Ryzen7 2700X | 65,40 | 1.58 |
Core i9 9900K | 75,00 | 1.81 |
写真30枚の書き出し。(詳細不明)
Lrの書き出しに関しては、Ryzen 3900Xがぶっちぎりともいえるレベルでトップ。
表に入れていないのだけど、Core i9 9900kとRyzen 1800Xが同等の結果となっているのが解せない感じ(第1世代のRyzen 1800Xは使っているのだけど、1コアあたりの性能の低さをコア数でねじ伏せる系のCPUというか、正直速いCPUじゃない)。テストの詳細が不明なことといい、信頼性がハテナ。
ともあれ、このテストによれば現時点で最速はRyzen 3900Xであり、 Lightroomの書き出し処理自体はいい感じにマルチコアをフル活用するように並列化されているので、来月発売予定のコア数がさらに多い3950Xならさらに速くなりそうではある。
be.hardware.infoのベンチマーク結果
CPU | 書き出し速度 | 倍率 |
---|---|---|
Ryzen9 3900X | 32.20 | 0.78 |
Ryzen7 3700X | 41.50 | 1 |
Core i7 9700K | 59.00 | 1.42 |
Ryzen7 2600X | 60.0 | 1.44 |
Ryzen7 2700X | 65,40 | 1.58 |
Ryzen7 1800X | 67.90 | 1.64 |
Core i9 9900K | 75,00 | 1.81 |
Lrの書き出しに関しては、第2世代(zen+世代)まで、コア数、クロックが同等のCore i7の2/3くらいの速度しか出てないと知り呆然としてる。閑話休題。Zen+まではAVX256 に非対応AVX256命令の処理に2サイクルかかるためだろうか。
ゲーミングPCレビューlogのベンチマーク結果
CPU | 書き出し速度 | 倍率 |
---|---|---|
Ryzen7 3700X | 1:16 | 1 |
Core i9 9900K | 1:55 | 1.51 |
Core i7 9700K | 2:08 | 1.68 |
Ryzen7 2700 | 3:54 | 3.08 |
3600万画素 Lr JPEG書き出し(画質100)。
3700Xでさえ、相当早い。
そして第2世代(2700)は案の定、とても、、、遅いです、、、。
ユーザーレビュー
3900XでのJPEG書き出しはやはり爆速らしい。
また、1コアあたりの性能向上により、Lightroomの基本的な操作が快適になっているとの話も。
・・・
Ryzen 3950Xが発売延期とのことなので、現行最速の3900Xで手を打つか、十分に速い3700Xで一旦手を打つか(その後、3950Xに買い替えをするか)、悩ましい。
追記:Ryzen 3700Xを購入
*1:SIMD演算ユニットが128bit幅なので、AVX256の1命令を処理するのに、SIMD演算ユニットを2サイクル回す必要がある