$*nyme

blog of a man, by a man, for a better future

スカイクロラ

例えるなら、コントラスト低めのリアルな写真というのか、玄人向け作品という印象。個人的にはアリ。スルメのように噛みしめると味が出てくる良さがあった。

戦闘機や銃器がめちゃくちゃリアルに描かれているのに対して、主要キャラクターが陰影の薄いのっぺりした描かれ方をしていて、めちゃくちゃ違和感があるのだけど、最初、予算の都合かと思ったのだけど、最後まで見て、

自分はこれは『主要キャラクターたちの生きることへの希薄さの表れ』と読んだ。

この作品、妙な終わり方をするのだけど(最初、あまりにアッサリしていて『え、マジカヨ』って思った)

そうなっているのも、退屈な繰り返す日常の中で、足掻くことの意味をほんのりと見る人に示すというか、

『ちょっと頑張ってみたところで、ドラマティックな急展開は起きないけれど、それでも少しつづ変化は着実に起きていくんだよ、だから諦めずに目標にむかっていけ』

って、日々の仕事/学業に疲れ目標を見失いそうになった現代人の背中をそっと押すような、そんな含みをもった作品という印象を受けた。

なんかこう日本人らしいというか、奥ゆかしすぎて、時間をかけて咀嚼しないと作品のテーマが何だったのかすら気づかずに終わりそうな、不遇の作品という感じはある。(いや、まぁ、もうちょい視聴者に優しくストレートに、作り手の『俺はこれを表現したい!』って感じのアクがあっても良かったのではと思わないでもない。)

まぁ、でもこの薄味具合は唯一無比感はあり、これはこれで良いなと思った。

巷の評価が分かれるのは納得。